2015年4月17日より全国順次公開
ギャガ
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競争相手と激しくぶつかりあい、妨害しあいながら、全力で猛ダッシュしているようなスピード感とエネルギーを持った映画です。音楽への純粋な情熱が、別の情熱と接触して、沸騰して爆発する、そんな印象を受けました。一見熱い爽やかなスポ根のような作品かと思いきや、クライマックスでいきなり負のエネルギーが立ちこめるくだりも、最後まで気を許せません。第87回アカデミー賞助演男優賞を受賞したJ・K・シモンズの演技は本当に見事ですが、彼が演じる教師フレッチャーは鬼の形相で狂気に近い音楽への執着を見せたかと思えば、時折優しい人間の顔も見せ、そのギャップが本当に怖い!一方、マイルズ・テラーが演じる最初ひたむきに音楽を愛していた青年ニーマンは、フレッチャーの特訓によって野心が最高値に達し、利己的になっていきます。この2人がお互いに相乗効果を与えることになるのですが、本作では、同じことへ向けている情熱がときに調和、理解を生む一方で、反発しあうという様を巧みに描いています。でも、すごく感動したのはやっぱりラスト。結局はやっぱりここで通じ合うんだなと救われました。音楽映画なのに、血と汗まみれになる本作。何か夢中になれるモノを持っている人は、すごく共感できると思います。 |
恋愛的な要素はちょっとだけ出てきますが、描かれているのはある種の精神的バトルがほとんどです。でも、デートで観ても男女ともに楽しめる内容で、音楽的視点で楽しんでも良し、音楽はそんなに興味がなくても人間ドラマとしても楽しめます。「今、○○に夢中になっているから君にかまってられない」とか、「今は誰とも付き合う気がない」なんて言っている男子がいたら、誘ってみてください。客観視できるポイントがたくさんあり、もしかしたらちょっと考えが変わって、視野が広くなるかも知れませんよ。 |
鬼教師がかなりの迫力なので、幼いキッズはちょっとびびってしまうかも知れませんが、小学校高学年以上なら内容は理解できると思います。子どもの頃から習い事をしている人もいると思いますが、主人公の青年ニーマンの気持ちは年齢を問わず共感できるところがあるのではないでしょうか。ティーンならもっとリアルに感情移入できると思うので、技を磨くこと、ライバルと争うこと、好きなことを貫くこと、だんだんと突き詰めていくとどういうことになるのか、一例として観るのも良いと思います。 |
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2015.3.31 TEXT by Myson