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しあわせへのまわり道

2015年8月28日より全国公開／PG-12
ロングライド
公式サイト　

まず気になったのはアメリカの運転免許の取得の仕方で、日本のように教習所に通うのではなく、タクシードライバーが教官を兼ねて教えていることにビックリしました（笑）。物語は、夫の浮気で傷ついた主人公があることをきっかけに車の運転免許を取ることを決意し、教官のインド人ドライバーから運転と共に人生における大切なことを教わり再生していく様子が描かれています。
主人公を演じるのはパトリシア・クラークソンで、長年連れ添った夫に裏切られボロボロになってしまった女性を好演しています。若い女の子が浮気されてももちろん傷つきますが、大人になって仕事も順調で子育ても終え、「さあ第二の人生へ」っていうときの夫の浮気ほど辛いものはないなと思いました。映画を観ているとなんとなく彼女が浮気されてしまった原因がわかるような気がするのですが、当事者になってしまうと何か起きない限りなかなか気づけないのかも知れないとちょっと怖くなりました（苦笑）。とはいえ、本作はそんなどん底状態の主人公が這い上がっていく姿を中心に描かれているので、勇気をもらえる部分や人生における教訓を学べる部分もあります。また、インド人ドライバー役をベン・キングズレーが演じているところもポイントで、主人公に人生の教訓を諭す一方で、彼自身にもいろいろなことが起こる展開も楽しめました。大人の女性ならきっと共感できるところがたくさんある作品です。ぜひ本作を観て自分の人間関係や人生について考えてみてください。

夫の浮気が発覚するところから始まるので、彼女と同じように結婚歴の長いカップルだと、観ている途中で隣の夫の反応が気になってしまうかも知れません。できれば一人か女子同士で観て、主人公に共感しながら観ることをオススメします。本作で夫に浮気される痛い女性を反面教師として観て自宅に帰ると、きっと旦那さんに対していつもより優しくなることができると思いますよ（笑）。

PG-12なので、12歳未満のキッズは大人と一緒に観てください。大人の女性の物語なので、ティーンも共感しながら観るのは難しいかも知れませんが、大人の世界をちょっと覗き見するような感覚で観てみましょう。でもインド人ドライバーが車の運転を人生に置き換えて「サインを見逃さないで」などと話す部分は、主人公と一緒に勉強することができると思いますよ。ぜひ人生における大切なこととは何かを中心に観てみてください。

2015.8.25　TEXT by Shamy