2015年5月30日より全国公開
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
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綾野剛、伊勢谷友介、山田孝之、沢尻エリカなど…濃いキャラの俳優を、濃い園子温監督がどう料理するのか気にならない人はいないですよね。原作は読んだことはありませんが、ストーリーそのものも新宿歌舞伎町が舞台ということで、コッテリ三昧な本作ですが、一言で本作を言い表すと「大人の裏社会版クローズ」という感じでした。と思っていたら、本作のプロデューサーが『クローズ』シリーズの山本又一朗ということで納得です。とにかくわかりやすく熱いストーリーで、『クローズ』シリーズは好きなので、本作のノリも嫌いではないですが、時代背景が現在=2015年ではなさそうで、そこがはっきりとしていなかっただけに、リアリティをどこまで追究して観て良いのかという点では戸惑いがありました。そしてちょっと臭いシーンもあり、ニヤリとしてしまいましたが、あれは意図していたのかが気になります。本気だとしたら、めっちゃ昭和な感じ(笑)。でも、実際の新宿歌舞伎町そのものが他の世界と時間の流れが違う世界観を持っているという意味では、逆にリアルに描かれていたということなのかも知れません。 と、時代背景の描き方は少々気になったものの、綾野剛がはじける明るさのキャラクターだったのは新鮮で、伊勢谷友介が演じていた一番つかみどころのないミステリアスなキャラクターもとてもカッコ良かったです。水商売の世界は外から想像するしかなく、そのイメージもかなり先入観があるだろうと自覚していますが、本作は違った解釈で定義している部分でも新鮮で、すぐ近くにある街なのに何だかある意味ファンタジーな場所に思えるのが不思議でした。園子温には珍しく、エログロなシーンは描写が抑え気味だったので、いつもよりも万人が観やすいように作っている印象です。今まで園子温監督作は観たことがないという方にトライしやすい映画だと思います。 |
園子温監督作で夜の街が舞台なので、胸ポロリは当たり前、エロいシーンも絶対あるだろうと思いきや、意外に露骨なシーンはないので、そういう点ではあまり心配は要りません。暴力シーンに関しても露骨には映りませんが、想像するだけで痛そうなシーンはあるので、完全にそういうのが無理という方を誘うのは控えましょう。ロマンチックな要素も多少ありますが、ラブストーリーと言えるほどではありません。逆にサバサバした雰囲気にしておきたいような義理のデートなどで観るにはちょうど良さそうです。 |
風俗、ドラッグが出てくるので、キッズが観るには早い内容です。リアルな部分と、漫画的な非現実的な部分があるので、現実とエンタメとの境目をある程度理解した上で楽しんで欲しいと思います。なので、観るなら高校生以上が望ましいのではないでしょうか。希望と現実が描かれたストーリーには、良いお手本も悪いお手本もありますが、それをちゃんと見極めながら観て欲しいと思います。 |
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■ジャパンプレミア、綾野剛、山田孝之、沢尻エリカ、伊勢谷友介、金子ノブアキ、深水元基、山田優、豊原功補、園子温監督、鈴木おさむ(脚本)、山本又一朗プロデューサー
©2015「新宿スワン」製作委員会
2015.5.19 TEXT by Myson