TOP > 映画批評TOP > 映画批評サ行 > HERE

新少林寺／SHAOLIN

2011年11月19日より全国公開
ブロードメディア・スタジオ、カルチュア・パブリッシャーズ
公式サイト

思ったとおり、おもしろかった！！キレが良くスピード感のあるカンフー・アクションは何度観ても飽きません。いろいろな道具を使って立ち回るので、そのアイデアを観るのも楽しいです。ジャッキー・チェンの役も凝っていて、アクションの見せ場に工夫している点も良かったです。ちょっと“ベスト・キット”的な展開を思い出しました。
権力争いを主軸にしたストーリーで、裏切りや愛、救済の念といったテーマが折り込まれた展開も楽しめました。２時間以上の上映時間も結構あっという間に感じたような。そして、僧侶たちの友情や、少林寺に対する思いにも感動させられるシーンがあって、子ども僧侶が饅頭を持って、敵に差し出すシーンはウルッときてしまいました。
あとはニコラス・ツェーがかっこよかった！悪役としても冷酷さが出ていてはまってました。そして注目すべきもう一人の俳優はユエ・ハイ。少林寺の師匠である方丈を演じているユエ・ハイは、1960年代に武術の国家代表団コーチとして世界各地で中国武術を広め、少年時代のジェット・リーと共にアメリカ公演をしていたときに２人の武術が映画会社の目に止まり、映画『少林寺』に初出演。その後、数え切れないほどの映画やドラマに出演し、2008年に一旦引退。でも本作のために映画復帰し方丈の役を演じたそうです。方丈の強さにすごく説得力があるなと思いましたが、そもそも演じている本人が武術の師匠だった人ということで納得。ぜひ、そんなところにも注目して観て欲しいと思います。

ときに残酷な殺し方をするシーンが出てくるので、そういうのが苦手でない限りはデートで観ても楽しめると思います。ドラマの部分もしっかりとできているので、カンフー・アクションに全く興味がなくても楽しめます。でも、少林寺拳法って踊っているみたいでスピード感もあって、観ていて楽しいしスッキリするので、男女関係なく楽しめると思います。初めは権力に執着していたけれど、家族の大切さに気付いていくアンディ・ラウが演じる男の成長ぶりもぜひ彼氏、旦那に観てもらいたい点です。

2011.10.8　TEXT by Myson