2015年10月16日より全国順次公開
キノフィルムズ
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本作はある一つの誘拐事件に巻き込まれた子ども、その両親、事件を追う刑事という視点で描かれており、時間軸の描き方だけわかりづらかったのが残念ですが、事件を解決していく過程を見せつつ、翻弄されていく人々に焦点を当てた社会派ドラマとなっています。親がいる目と鼻の先で子どもが誘拐され、長年監禁される…こういうニュースは実際にニュースでいくつか聞いたことがありますが、資料によると本作は特定の実在の事件をもとにした映画化ではないようです。ただ、アトム・エゴヤン監督は本作を撮るにあたり、インターネットを使った虐待事件に日々立ち向かっている児童搾取捜査班の刑事達に取材をしたそうなので、アメリカでは実際にこういう事件がいくつも起きているということなんでしょうね。子どもはただ誘拐するだけでなく、ビジネスに利用され、大きくなった後も新たな役割を与えられるのですが、犯人が子どもを操る手段がとても気味が悪く、こういう犯罪が実際に何度も起こっていると思うと本当に恐ろしいです。感動、スリルというよりは、ストレスを体感する映画という感じですが、アメリカでの話とはいえ、ネット技術が発展した現代社会の闇を描いているので、本作を機に、こういうことが世の中で起きている事実に目を向けなければいけませんね。 |
実際にアメリカで起きているであろう犯罪をテーマに描いており、淡々と物語が展開していくので、スリル満点のサスペンスというよりは、社会派ドラマという印象が強い作品です。現実的な物語でいつどこで起こってもおかしくない内容なので、割り切って観られない人もいると思います。なのでデートで観るには微妙ですが、こういう犯罪に気を付けようという意味では、お子さんを持つご夫婦は参考に観ても良いかも知れません。 |
子どもが誘拐されて長らく監禁される話なので、キッズには怖いでしょう。でも、小学校高学年くらいなら、こういうことに気を付けようという意味も含め、大人と一緒に観ても良いかも知れません。ティーンもだんだん自分で携帯電話やパソコンなどを持つようになり、保護者の監視外のところで見知らぬ人と接点を持つことも出てくると思いますが、本作を観て、犯罪に巻き込まれないように警戒心を持ってもらえたらと思います。 |
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2015.10.13 TEXT by Myson