2014年11月15日より全国公開
ピクチャーズデプト
公式サイト
ツイート
世界で30もの映画賞を受賞、50の映画賞にノミネートされた本作。監督、脚本を務めたのは本作で長編2作目となるデスティン・クレットン。本作がジェニファー・ローレンスの目に留まり、次回作は彼女が主演、プロデューサーを務める『The Glass Castle』を監督するようです。本作を観ると監督の手腕が注目を集めるのも納得。ドキュメンタリー映画を観ているかのようなリアルさで不器用な人たちの心の触れあいを描いています。言葉と本心が裏腹だったり、自分のなかに思いをため込んでしまう不器用な人たちを演じた役者たちも凄く良かったし、あるキャラクターが劇中で語る物語もとても印象に残りました。抽象的過ぎず、露骨過ぎないさじ加減が絶妙で、小道具やアクセサリー一つ一つにもこだわりが見えて、なぜそういうアクセサリーを付けているんだろうと思っていたら、それが伏線になっていたり、とても丁寧に作られた映画であることがしみじみと感じられました。あと、物語の種明かしの仕方がとても上手い!何をいつ伝えるかという順番が巧みに計算されているように感じ、「なぜ?」→「なるほど」という展開が観ていてとても心地良かったです。映画界でまた新たな才能が発掘されたという感じで嬉しい限り。前述のジェニファー・ローレンスと制作する新作も含め、今後デスティン・クレットン監督に注目したいと思います。 |
しんみりしたストーリーではありますが、最終的に清々しい気持ちになれるし、何より人と人との心の触れあいが描かれているので、傷付きながらも誰かと一緒に生きていく姿に、お互いの存在の大切さも実感できると思います。不器用な人ほど言葉と本心は裏腹で、傷付くのが怖いから無謀なこともするというのが客観視できる展開もあり、不器用同士のカップルには特に観て欲しいと思います。 |
どこまで深く理解できるかはさておき、キッズやティーンが自分自身を投影できるキャラクターが多数出てくるので、観ていろいろと感じる部分があると思います。本作は家庭の事情で預けられた子どもたちが暮らす施設を舞台にしていますが、自分が幸せな家庭環境にある人も、苦労している人も本作を観て、人それぞれにいろいろな事情があり、人には言えない思いを抱えて必死に生きているということをまずは知って欲しいと思います。それだけでも友達に優しくなれるきっかけになると思います。 |
© 2013 Short Term Holdings, LLC. All rights reserved.
2014.10.29 TEXT by Myson