2017年1月27日より全国公開/PG-12
ショウゲート
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「アメリカのスパイが告発した」というスノーデンのニュースは衝撃的過ぎて記憶に残っていましたが、こういう真相があったのかと本作を観て改めて驚きました。スパイと聞いただけだと、情報を盗んで良からぬことをしたのかと思ってしまいますが、彼は良識と勇気がある青年だったんですね。アメリカが世界中に行っている監視行為が、非人道的だということに気付いた彼は、自分の命を危険にさらしてまで告発をするわけですが、国家を敵に回すなんて、自分ならこんなことは怖すぎて真似できないと思います。それにこういう事件は映画やドラマのなかだけの話かと思っていましたが、実際に行われているということを知り、本当にショックです。もちろん日本も無許可の監視の対象になっていて、オリバー・ストーン監督が来日した際に出演したニュース番組(NEWS23)のインタビューでは「日本は昔持っていた主権がない。アメリカの衛星国であり人質なのです」と語っていました。恐ろしいですね! 本作では、こんな恐ろしい事を、単なる業務の一つとしてこなしている人々の様子もリアルに描いていて、その日常茶飯事的なムードが、より恐怖心を煽ります。この件に限らずですが、「トップに従っているだけ」と言って、感覚が麻痺している数多くの当事者の存在も、こういった問題を引き起こすのだなと、本作を観て実感しました。一方でジョセフ・ゴードン=レヴィットが演じるスノーデンの行動は、人間の強さについて希望を抱かせてくれるもので、本作には人間の弱さと強さの両方が描かれています。自分はどっちになりたいか、考えながら観てください。 |
堅い映画をイメージするかも知れませんが、難しい内容ではありません。国を敵に回して告発をしようとするスパイの実話をベースにしているので、カップルが登場しつつもロマンチックな展開はあまり含まれませんが、もし恋人がスノーデンのような立場に追いやられたら、自分はどうするか考えながら観ると、自ずと恋愛観も見えてくると思います。ぜひ鑑賞後は意見交換をしてください。 |
PG-12なので、12歳未満の人は大人と一緒に観て欲しいですが、キッズにはちょっと難しいストーリーなので、もう少し大きくなってから観るほうがより理解ができて楽しめると思います。スパイとだけ聞くと、カッコ良いイメージがありますが、機密情報をどう扱うかによって、命の危険にさらされることもあります。本作は映画のなかだけの話に見えますが、実話です。日本についても出てきますが、世界情勢について勉強してから観ると、より臨場感を味わえるでしょう。 |
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2017.1.24 TEXT by Myson