過激なイスラム原理主義により音楽を禁止されたパキスタン・イスラム共和国の街ラホールで、自分達の文化と居場所を取り戻すべく奮闘する「サッチャル・ジャズ・アンサンブル」の姿を追ったドキュメンタリーです。生き延びるために多くの人が芸術活動を諦めるなか、音楽を愛し守り続ける彼らの純粋さや、心から溢れてくるセリフの数々が胸に深く刺さります。そんな彼らが自分達の伝統を多くの人に知ってもらおうと、ジャズの名曲「テイク・ファイブ」を民族楽器でカバーしてYouTubeにアップ。それがきっかけとなって本場ニューヨークのビッグバンドと共演することに…。全員がスゴ腕の演奏家でありながらも、慣れないジャズセッションに右往左往する姿がなんとも愛おしく、「がんばって!」と心の中で必死に祈ってしまいました。幕が上がるまでの紆余曲折にハラハラした分、彼らがみせる奇跡の演奏は胸の奥がジーンと熱くなります。 |
生きることにちょっぴり不器用な、職人肌のおじさんたちの物語として、音楽ファンだけでなくヒューマンドラマ好きのカップルにもオススメです。2016年9月には来日コンサートも予定されている「サッチャル・ジャズ・アンサンブル」。本作で彼らのファンになったカップルは、ぜひ2人でコンサートにも足を運んでみてはいかがでしょうか。 |
キッズやティーンが観て「すごくおもしろい!」と思うような娯楽作品ではありませんが、少しでも興味をもったらぜひ観ていただきたいです。音楽を禁止された国があるなんて、きっと驚くと思いますし、音楽家が身分を隠さなければいけない状況も日本では考えられませんよね。世界にはまだまだ知らない問題がたくさんあります。キッズやティーンの皆さんも映画を通して、たくさんの世界を旅してみてはいかがでしょうか。 |