2016年8月20日より全国順次公開
チャイルド・フィルム、ミラクルヴォイス
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最初から最後まで「なんだろう?なんでかな?」と惹きつけられるストーリー展開で、映像の美しさ、世界観すべてがとても魅力的でした。そして、キャラクター一人一人が丁寧に創り上げられている感じで、どの人物も印象に残っています。ドキドキハラハラさせるような負の要素を放っていたキャラクターも、知られざる事実が明かされることで、優しさに満ちた存在に一瞬にして変わったり、目の前にある風景が観たままの美しさだけでなく、物語の真相が明らかになることで“心で観る美しさ”を伴ってより美しく見えてくる演出がとても見事でした。物語はとても幻想的なのですが、幼い兄と妹のやりとりは日常でよく見かける風景で、だからこそキャラクター達の心情の動きや、心が癒されていく様子はとてもリアルで、童心に返って観ることもできるし、大人目線で観ることもできる作品だと思いました。本作は、第87回アカデミー賞長編アニメ映画賞にノミネートされ(高畑勲監督作『かぐや姫』もノミネートされた回)、第28回ヨーロピアン・フィルム・アワードでは、日本でも大人気の『ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム』を抑えて長編アニメ賞を受賞するなど、各国から注目を集めており、本国アイルランドで、トム・ムーア監督は“ポスト・スタジオジブリ”とも呼ばれているそうです。確かにその異名でも納得の実力を感じましたが、アイルランド、ルクセンブルク、ベルギー、フランス、デンマーク合作の独特の雰囲気もぜひ楽しんでください。 |
ラブストーリーの要素は無いのですが、幻想的でとても美しくムーディな世界観は、デートの雰囲気を盛り上げてくれると思います。ストーリーはとても不思議ですが、混乱するような難しいお話ではないので、中高生カップルでも楽しめます。アニメとはいえ、大人でも楽しめるアーティスティックな作品なので、大人カップルでも楽しめますよ。また幼いお子さんを持つご夫婦も、親目線でキュンとさせられる作品です。 |
妹の出産とともに母を失い、妹にどこか許せない気持ちを抱えている幼い兄と、なかなか言葉を発せず不思議な空気を漂わせる妹の冒険物語です。幼い兄妹が、旅の途中で大きな困難に立ち向かうなかで、徐々に兄妹の絆を強くしていく様子は、ぜひキッズやティーンの皆さんにも観て欲しいと思います。兄妹だからこそ、素直になれなかったり、意地悪になったりしてしまうこともあるかも知れませんが、やっぱり困ったときは最強のパートナー。わだかまりがあっても、ちゃんと向き合わないといけないときがきたら、逃げてはいけません。 |
©Cartoon Saloon, Melusine Productions, The Big Farm, Superprod, Norlum
2016.8.8 TEXT by Myson