2016年12月24日より全国順次公開/PG-12
アットエンタテインメント
公式サイト
本作は、現在のセクシャル・マイノリティによる社会運動の原点となった実在の事件“ストーンウォールの反乱”をベースに、ローランド・エメリッヒ監督が、名も無きLGBTの若者達の日々を描いた物語です。舞台は1969年、厳格な父のもとに育てられたダニーは、ゲイである事を皆に知られてしまい、インディアナの田舎街から飛び出し、ニューヨークにあるゲイの街クリストファー・ストリートにやってきます。そこにはさまざまな考えを持つLGBTの人々がいて、ダニーは彼らと接することで、徐々に自分はどうありたいかを自覚していきます。彼らのほとんどが男娼をすることでしかお金を稼げない状況で、暴力を振るわれることもしばしば。また住むところもままならず、狭い一部屋にぎゅうぎゅう詰めになって寝ている光景にはとても心が痛みます。彼らには自由もないし、選択肢もない。そんな状況で、現実を打破するために、彼らはどう立ち上がるのか。セクシャル・マイノリティに限らず、マイノリティによる社会運動において、暴動か平和的訴えか、その方法も議論に挙がりますが、何が正しいのか、正直なところわかりません。暴力では解決できない、解決したくないと思っていても、反撃せざるを得ないと思える状況もあります。いずれにしても、“ストーンウォールの反乱”は彼らが戦う意志を見せた証明となったのは明らかです。それにしても、なぜ彼らがこんな思いをしなければならないのか、切なさが込み上げてきます。革命の中心人物ではなく、“名も無き者達”の物語を描くことで、それはより身近なものに感じました。ローランド・エメリッヒ監督のセンスも素晴らしいと思います。 |
LGBTの問題については、いろいろな意見を持つ人がいるので、予めどういう考えなのかを知っておいたほうが良いでしょう。普段こういった話をしなければわからないと思いますが、悲しいことになかにはLGBTに対して、極端に嫌悪感を示す人もいます。そういう人にこそ本当は観て理解して欲しいですが、初デートでは避けた方が良いと思います。2人の関係性がある程度安定しているなら、一緒に観て意見を交換すると良いのではないでしょうか。 |
PG-12なので、12歳未満の人は大人と一緒に観てください。また、観るなら事前にLGBTについて教えてもらってから観たほうが良いでしょう。世の中の“普通”はただの多数決だと私は思います。皆違っていて当たり前です。少数派だからといって理解されずに苦しんでいる人がいることを、キッズやティーンの皆さんも早い段階から知ることは重要だと思います。 |
関連記事:
■TJE Selection イイ男セレクション/ジェレミー・アーヴァイン
■TJE Selection イイ男セレクション/ジョニー・ボーシャン
■TJE Selection イイ男セレクション/カール・グルスマン
■TJE Selection イイ男セレクション/ロン・パールマン
©2015 STONEWALL USA PRODUCTIONS, LLC
2016.12.21 TEXT by Myson