2012年6月30日より全国公開/PG-12
クロックワークス
公式サイト 予告編
いろんな意味で衝撃的な映画でした。これを観ちゃうとちょっと子育てに不安を抱いてしまうというか、母子の関係でも愛だけじゃどうしようもないというか、愛もわかりやすい形からそうでないものまであるんだなと、女性としてはいろいろと考えさせられました。息子がこうなったのは母のせいなのか、それとも彼の素性なのか…。 ずっとそんなことを考えながら観察してずっと謎のまま、遂に最後の最後で真相がちらっと顔を出します。そのラストの展開には本当にビックリしました。「なんだ、そんなことだったのか…」「そんなことくらいで、こんなことに…」と思ってしまうけれど、こんなシンプルなことを母に期待していただけなのにその思いへの反応がなかったことで、彼はここまで母に執着してしまったのかも知れません。これは人間関係においても、とても考えさせられる点でした。ネタバレするので言えませんが、ぜひ映画で真相を知って頂ければと思います。 で、この映画の魅力は息子ケヴィン役の少年たち。少年たちと表現しましたが、これは成長したケヴィンを演じたエズラ・ミラーを筆頭に、幼少時代のケヴィン役の子、ちょっと成長したケヴィン役の子、全員のケヴィン役のことです。まずエズラ・ミラーは容姿が美しいのはもちろん魅力的ですが、彼の美しさがケヴィンの内面にある残酷さととてもマッチしていて本当に怖いんです。何を考えているのかわからないし、大人を操ろうとする反面、とても子どもらしい繊細さもまだ持っていて、そんな複雑な役柄を見事に演じています。そして、幼少時代と、そのちょっと成長したケヴィン役の子役たちもとっても演技がうまい!見た目がすごく可愛いのに、ときどきゾクゾクっとさせる冷たい眼差しを見せたり、母以外の人には普通の子どものように振る舞ったと思ったら、母の前でだけ豹変したり、本当に見応えのある演技でした。 とにかく、この映画、いろんな点ですごいし、衝撃的だし、女性は必見です。 |
女性が考え込んでしまうような衝撃的な内容なので、1人でじっくり観るか、女性同士で観る方が向いているような気もしますが、ちょうど今、1人で子育てに悩んでいる人は、母としての大変さを少しは理解し、一緒に悩みを解消すべく手伝ってもらえるように旦那と一緒に観るのも良いでしょう。この映画をみて、子育てのヒントを得たと前向きに捉えられる人は良いですが、深刻に悩み過ぎている人はもっと不安になってしまうかも知れないので、その場合は誰かと行く方が良いし、自分1人で悩みを抱え込んでいる場合は、こういう映画を観終わった後の方が旦那にも悩みを打ち明けやすいと思います。もちろん、全然今のところ子育ては関係なくなっている方は、デートで観ても問題ないと思いますが、心にずしっとくる映画なので、ウキウキなデートの日に観る感じではありません。 |
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2012.6.16 TEXT by Myson