2011年2月5日より全国公開
ワーナー・ブラザース映画
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一見、地味なんですが、銀行強盗のシーンはハラハラドキドキで、人間ドラマの部分は心の変化を静かだけれどしっかりと描いていて、メリハリがあるので最後まで物語に集中できました。主人公はどこかに「これではいけない」という思いを持ちつつも、“街の歴史や風習”からは逃げ切れず、また自分を置いていった母と、母を追わなかった父への思いに苛まれながら、それを解決するまでは街から逃れられないとでもいうように妥協して生きているように見えます。そこへクレアという女性が現れ、彼を開眼させます。でも彼が「やっぱりこの街から出よう」と思っても、“街”は簡単に彼を放しません。こういう現象は実は私たちの身の回りにもあって、自分が満足していなくてもその現実から飛び出す勇気がない仲間が、新しい人生を踏み出そうとする者の一歩を邪魔するのと似ています。「これが1番だ」とは思っていない世界でも慣れ親しんだところから飛び出すのは怖いし、知らない世界で生きていくには勇気がいります。最後の銀行強盗のシーンでは、ダグのチームメンバーがそれぞれに取った行動が、それぞれの生き方を象徴しているように思えました。 骨太で見応えのある本作、男臭いように思えますが、ぜひ女性にも観て欲しい映画です。私はダグの視点で観ましたが、クレアの視点で観ると違ったおもしろみもありそうなので、数回観ても楽しめるかも知れません。 |
暴力的なシーンもあるので苦手な女子にはおすすめしません。重みのある内容なので、ウキウキ気分でいたいデートの日には向きません。映画がメインディッシュくらいの気合いで観るなら、見応えのある映画なので良いと思います。どう解釈するか人それぞれに違ってくる内容なので、観終わったあとに語るのが好きなカップルにおすすめです。カップルとしてのみどころは、ラストの主人公ダグとクレアの電話でのやりとりのシーンですが、ある意味とてもロマンチックです。こういう感覚が二人ともわかり合えたら相性が良いってことかも知れないですよ。 |
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2010.11.14 TEXT by Myson