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ゼニガタ

2018年5月26日より全国公開／R-15+
AMGエンタテインメント、スターキャット
公式サイト

闇金映画というと、暴力シーン必須で、主人公は必ず強いイメージがあったので、本作で主人公を演じた大谷亮平がアクションをバリバリやっちゃうのかと思っていたのですが、今回の主人公は、頭が良くて、冷静だけどどこか優しさも感じられる人物で、大谷亮平にピッタリでした。逆に暴力に関しては、小林且弥が演じた弟が担当していたので、頭脳派と肉体派という兄弟バランスがとても良く、ベースにある兄弟の物語も、より興味を持って観られました。
また、本作では女性キャラクターも印象的。佐津川愛美が演じた珠は、普通のOLで、職場の女子のなかで、できるだけ自分を良く見せたいというマウンティング女子で、その考えや行動がどんどんエスカレートしていってしまいます。こういう女子って、もしかしたら周りにもいるかも？と思うと、よりヒヤヒヤしてしまいました。
お金を借りに来る人物達は、単にお金がないというより、劣等感を払拭するためや、強さを誇示したいがためにお金を必要とする人物が多く、普段の自分達の延長線上にいる人物なのかも知れないと思いました。そう考えると、決して他人事ではありません。お金がないことと、お金に翻弄されてしまうことのどちらが怖いことか、ぜひ本作をご覧になって確かめてみてください。

一見デート向きには思えないかも知れませんが、お金の貸し借りや暴力シーンだけでなく、感情移入できるポイントもあるので、男女共に楽しめる作品なのではないでしょうか。また、普段のデートでお金の話をいきなり出すのは抵抗があると思いますが、もし結婚を考えている相手なら、本作を機にお金のことを聞いてみると話しやすいかも知れませんよ。

R-15なので、キッズは大きくなってから観てください。15才以上のティーンのなら、将来的なことを考えながら観られると思います。大人になると、働いてお金を得ることはもちろん、それ以外の方法で増やしたり、時にはお金を借りたり返したりなど、お金との関係がより複雑になっていきます。本作の登場人物達は反面教師として観て、まずは自身の今あるお金の管理から始めてみてください。

2018.5.17　TEXT by Shamy