まず目が釘付けになったのは、主演のアーミル・カーンのムキムキモリモリの身体です。インド映画も多数輸入されるようになり、こういった肉体派俳優も目にすることが多くなりましたが、西洋人とは筋肉の質がまた違うマッチョさです。すごく鍛え上げているのがわかる身体で、本作のキャラクターに説得力を与えています。それにしても、アーミル・カーンが49歳(1965年生まれ)というのも驚き。日本でも大ヒットした『きっと、うまくいく』で大学生役を演じたのは44歳のときですからね!同作も本作も、年齢を知らずに観たので余計ですが、全く違和感がありませんでした。インドのトム・クルーズという感じですかね。
本作は、インド映画史上最高(2014年現在)の30憶円を費やした超大作で、国宝級の俳優アーミル・カーンが主演ということもあってか、アメリカ、イギリス、中国など世界各国で歴代インド映画No.1の興行収入をたたき出しています。それだけのヒットを飛ばす要因としては、物語の素晴らしさもあると思います。この映画は復讐劇ですが、ドラマ、アクション、サスペンス、ラブストーリーがうまく融合しています。サーカス団という要素も随所に絶妙に活かされていて、ラストもインド映画ならではといおうか、悲壮感と前向きさ、潔さがあいまった意外性があります。アクションシーンもさることながら、サーカスのシーンはそれ自体が魅力的で、映像的にもかなり見応えがありました。インド映画といえば、『ムトゥ 踊るマハラジャ』、インドのスターと言えば、ラジニカーントという時代はもうそろそろ終わり、本作がインド映画の新たなイメージと期待を喚起させることになるかも知れません。
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デートで観ても楽しめる内容です。ラブストーリーの要素もありますが気まずくなるようなシーンもなければ、生々しい恋愛模様を描いているわけでもないので、良い意味で感情移入し過ぎることなく楽しめると思います。アクション、サスペンス、人間ドラマ、ラブストーリーと、いろいろな要素があるので、男女楽しめるポイントがそれぞれあります。観終わったあとに、どこでトリックに気付いたかなど、話のネタも見つけやすいです。インド映画特有の歌って踊ってのシーンはありますが、唐突過ぎるシーンはなく、苦にはなりません。上映時間も151分で許容範囲でしょう。 |
迫力のあるアクションシーンや、サーカスのシーンは子どもが観ても十分に楽しめると思いますが、キッズにとっては151分の上映時間に耐えられるかどうかだけがネックです。ティーンは難なく楽しめると思うので、純粋にエンターテイメントとして観るのも良いし、生きていく上での価値観の比較も出てくるので、自分に置き換えて観るのも良いでしょう。スタイリッシュなダンスシーンも何度か出てくるので、映画への興味が強い人だけでなく、ダンスや音楽が好きな人にもオススメですよ。 |