2016年10月15日より全国公開
ビターズ・エンド
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まず、「ダゲレオって何だ?」と思いますが、資料に寄ると「世界最古の写真撮影方法。長時間の露光を必要とするため、人物を撮影する場合は長時間に渡り身体を拘束される。ネガを作らず、直接銀板に焼き付けるため、撮影した写真は世界に1枚しか残らない」とあります。なので、劇中でもモデルは動いてはいけないのでこの撮影方法に耐えられず、写真家の娘だけがモデルを務められる状況になっているのですが、時が止まってしまっているのか、動いているのかわからないような、この空気感がそのままストーリーに繋がっていて、観ているほうもだんだんその世界を彷徨う感覚にさせられます。この撮影方法には、撮る側と撮られる側の信頼関係が不可欠で、父と娘の結びつきの暗喩となっているのですが、愛と拘束が徐々に悲劇に変わっていく展開が、周りの時間の流れに心がついていけない人間の姿を表しているように見えて、とても怖いものを観ている感覚に襲われました。自分も何か大事なものを失ったら、こうなってしまうかも知れないと思うと、ゾッとさせられて、直接的に観るホラーの怖さとは少し違った怖さがありました。 |
映画の内容や、そこで語られる結論をハッキリと理解しないと気が済まない人にはあまりオススメしない作品なので、映画を観慣れていない人を誘うのは避けた方が良いと思います。映画の解釈を巡って語ることが好きなカップルには、良いのではないでしょうか?ラブストーリーは描かれていますが、自分達に置きかえてというシチュエーションでもないので、そこはあまり気にしなくて大丈夫だと思います。 |
キッズやティーンには難しい内容だと思います。科学的視点で観るとしたら、“ダゲレオ”という撮影方法について、仕組みを調べてみるのはおもしろいかも知れませんが、映画の中でそれが語られているわけではないので、映画を観て、どんな風に撮影するのかを観てから、図書館やインターネットで調べて、知識を増やすというのが良いと思います。 |
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2016.10.5 TEXT by Myson