2014年10月17日より全国公開
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本作は『ナイロビの蜂』『裏切りのサーカス』の原作者でもあるジョン・ルカレの作品を映画化したスパイ映画で、フィリップ・シーモア・ホフマンが、秘密のテロ対策チームのリーダー、ギュンター・バッハマンを演じています。捜査だけでなく、その捜査に絡む組織同士のあらゆる干渉にも対応しなければいけないバッハマンは、クールながら内に情熱を秘めたキャラクターですが、知的で感情を抑えたフィリップの演技が絶妙でした。フィリップ・シーモア・ホフマンは、2014年2月2日にニューヨークの自宅で不慮の事故で亡くなりましたが、46歳の早すぎる名優の死は本当に残念です。今振り返ってみても、彼が演じてきた数々のキャラクターは派手な役柄でなくてもちゃんと印象に残っているんですよね。でも映画を観ているあいだは彼の演技を観ているという気がせずに物語に引き込んでくれる、そんな俳優さんだったなと思います。そして本作にはウィレム・デフォー、ロビン・ライト、レイチェル・マクアダムス、ダニエル・ブリュールなど、他にも名優がたくさん出ていて、この共演を観ているだけでも見応えがあります。 |
スパイ映画のなかでも心理戦の部分が多くシリアスなタイプで、派手なアクション映画というイメージとは異なるので、好みが少し分かれるでしょう。ラブストーリーの要素はほとんどなくムードが盛り上がることもないですが、気まずくなるようなシーンもないので、ムーディになりたくない相手との義理のデートには向いているかも知れません。2人とも映画好きのカップルのデートには良いと思います。 |
観ても問題はないですが、いろいろな組織とのしがらみなども出てくるので、人物相関図的な理解が少々複雑で難しいと思います。高校生以上でよく小説を読んだり映画もいろいろと観るようになっている人はチャレンジしてみても良いでしょう。あとスパイに興味がある人は、スパイはスパイでも本人が潜入捜査をするタイプのスパイではないので、いろいろな方法があることを観察してみてはどうでしょうか。 |
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2014.10.6 TEXT by Myson