2015年6月27日より全国公開/PG-12
松竹メディア事業部、オフィス北野
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“天の茶助”という名前のとおり、本当にキャラクターがその名前の意味で設定されているということに最初驚きましたが、天界で人間一人一人のシナリオを書く担当者がいて、それぞれが担当する主人公のストーリーがお互いに絡み合い影響を及ぼすという設定がとてもユニークで、すぐに物語に引き込まれました。一方でこの流れからどうやって茶助が現実の世界に関わっていくのか若干懸念もありましたが、意外な展開が連続し、想像とは違うストーリーに新鮮味を感じながら最後まで楽しめました。すごく人間臭い物語だし、映像的にも後半はずっと現実世界が舞台でほとんどファンタジー感はないにも関わらず、見えないところでちゃんとファンタジー性を保っているのが見事でしたが、天界の話だろうが人間界の話だろうが関係ないと思わせるドラマがしっかり描かれているからなのでしょう。ちょいちょい設定に無理があったり、複雑に思える部分も出てきますが、あまり細かいところは気にせずに、この世界観を楽しめばそれで満足できる作品。暴力的な描写とコミカルな描写で緩急もあり、SABU監督得意の疾走感が味わえます。 |
ちょっとクセのある作品なので、好みは分かれるかも知れませんが、これまで何度か映画を一緒に観に行ったことがある相手となら、たまにはこういう作品をデートで観ても良いでしょう。主人公の行動は恋愛に近い感情から発生するものですが、恋愛ばっかりのストーリーではないので、気まずいシーンなどもなく、一緒に観るカップルの状況にもあまりリンクしないので気にする必要はありません。とはいえ、ロマンチックな部分もあるので、ちょうど良いと言えばちょうど良いです。 |
乱闘シーンもあるので、キッズにはやや激しいかも知れません。観るならば大人と一緒に観ましょう。ティーンは問題なく楽しめると思います。主人公や周囲のキャラクターは大人ですが、がむしゃらに何かを成し遂げようとする主人公の姿は、青春真っ只中のティーンの皆さんにも通じる部分があるのではないでしょうか。多くの人のためでも、たった一人のためでも、誰かのために一生懸命な姿はステキです。そんな部分をこの作品から感じ取ってもらえればと思います。 |
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©2015『天の茶助』製作委員会
2015.6.23 TEXT by Myson