2013年1月19日より全国公開
松竹
公式サイト
小津安二郎監督の『東京物語』をモチーフに製作された本作。時代背景は現代になっていながら、セリフが古くさいというか、妻夫木聡や蒼井優が演じる若者ですら今どきの言葉遣いではないのが少し気になりましたが、昔から変わらぬ日本の家族の肖像が描かれている点では、物語にすんなり入ることができました。 上京した子どもたちのもとへ、田舎から両親が会いに来て嬉しい反面、どこか面倒がられてしまっている姿がリアルでしたが、たぶん多くの家族がこんな感じだろうなと、胸がキュンとなりました。同時に親も自分たちの状況を受け止めて、子どもたちに文句を言わず迷惑をかけまいとするのも切なかったですが、とても親の愛を感じられて、じ〜んとしました。不器用な父を、明るく優しい母が支えるという父と母の役割がちゃんと分担されているなかでの、子どもたちとのやりとりが微笑ましいシーンも多々あり共感しましたが、それだからこそ後半の展開がとても切なくて、屋上の父と息子のシーンは一番泣けました。不器用な父のあの一言にたくさんの思いが詰まっているんだなと思いました。家族って、いろいろ面倒な部分もあるけどやっぱり良いなと実感させられた作品でした。世の中の親にも子にも観て欲しいです。 |
デートで観るなら、若いカップルは真剣におつきあいしている人、真剣につきあいたいと思う相手と行くのが良いでしょう。家族とのつきあい方は、その人の価値観に大いに影響しているはずなので、この映画を一緒に観た後に感想や自分の家族について話すとより相手のことを理解できると思います。ご夫婦で観る場合は、登場する家族のなかでいろいろな夫婦がいるので、客観視するのに良いかも知れません。一見渋い映画に思えますが、老若男女が共感できるポイントがそれぞれにあるので、世代は気にせず観て欲しいと思います。 |
©2013「東京家族」製作委員会
2012.12.31 TEXT by Myson