2014年2月22日より全国公開/R-15
ファントム・フィルム
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学生までもがホームレスになりえる時代というストーリーはとてもショックで、まだ親からの支援を受けて生活している人が多い学生だからこそ、急に野生に放り出されるようなこの状況は、大人とは違った苦難があると思いました。ただ本作は、こういう状況の社会に苦言を呈するというスタンスにとどまらず、本人にも強くなれと言うメッセージが込められています。正直なところ、前半では主人公の時枝修に全く共感が持てず、「きれいごとや甘えたことばかり言っている」という印象でした。でもそれはおそらく意図的に描かれたもので、どんな状況でも世の中の人はみんな必死で生きているんだということを描く対比となっているのだと思います。時枝の後半のセリフに“友達”という言葉が出てきますが、「それは本当の友達とは言えないでしょ?」と思いつつ、これまで周囲に流されてぬくぬくと生きてきた彼にとっては、何もかも失った代償に手に入れた“生きている実感”のなかで、初めて人と真剣に向き合ったということなのかも知れません。 |
辛い現実を突きつける内容なので、デートで敢えてオススメできる映画ではありませんが、不況や社会のせいにして何事にもやる気がない彼氏や旦那さんには、目を覚まさせるために見せるのもありでしょう。ただしあまりにマイナス思考の方は逆効果になるかも知れないので、誘う際は気を付けましょう。ヌードやベッドシーンも出てくるので、気まずくなるカップルはやめておきましょう。 |
子どものうちは何も将来について心配することなくのびのびと過ごして欲しいですが、小学校高学年くらいなら、本作を観てこういうことが世の中では起きているという現実も知っておくと良いでしょう。特にティーンはよりリアルに主人公の心情を理解できると思うので、これを機に「今の自分に何ができるのか、自分はどうしたいのか、何をすべきなのか」、ちゃんと意志を持って毎日を過ごせるように考えてみて欲しいと思います。 |
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