2018年10月13日より全国順次公開
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若松プロダクション出身で、『凶悪』『彼女がその名を知らない鳥たち』『孤狼の血』などで注目を浴びる、白石和彌監督自らが企画した本作。若松孝二監督の名前は知っていても、作品は観たことがなく、本作で背景を知りました。若松監督が主人公かと思いきや、助監督の吉積めぐみ(門脇麦)の目線で描かれた群像劇になっているので、若松監督の存在を知らなくても、一つのドラマとして観られます。また、若松監督達の活動は政治的スタンスにも強く結びついていたり、若かりし頃の大島渚や赤塚不二夫などもキャラクターとして登場したり、日本の文化的歴史を知られる部分もある点で、興味が湧く人もいるでしょう。若松監督が革命家であり映画監督という部分では、ジャン=リュック・ゴダールに近い印象を持ちました。こういうところにも時代性をすごく感じます。でも、好きなことを仕事にする難しさ、もの作りの難しさ、思いはあっても自信が持てない辛さ、そういった誰もが抱える苦悩を描いている点では、時代を問わず、現代の若者が観ても共感しやすい内容です。また、女子目線では、吉積めぐみが、男性社会の現場で、自分の居場所を見つけようとする姿に感情移入できると思います。映画の存在意義を考えるきっかけとなる作品です。 |
ピンク映画を撮っていた若松監督とそのチームについての物語なので、ヌードシーンも多く、社会派ドラマという印象が強いので、ロマンチックなムードは期待しないほうが良いでしょう。恋愛要素も多少ありますが、描かれているのは複雑な関係なので、デートで観るよりも、1人でじっくり観るか、映画史に興味のある友達と観ることをオススメします。 |
高校生以上なら、理解できてくる部分もあるかも知れませんが、どこに焦点を絞って観るかに寄ると思います。若松監督について知らなくても、映画を観てから、そういう人達がいたんだなとか、そういう時代があったんだなと思えると思うので、興味があれば観てみてください。映画には、映画を作っている人達の生き様が現れるということを感じられれば、今後観るスタンスも少し変わるかも知れません。
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2018.10.10 TEXT by Myson