6月15日より全国順次公開(6月8日TOHOシネマズ秋田ほか先行上映)
ソニーPCL
公式サイト 予告編
本作は倉科カナが演じる27歳の女性が交通事故により10年分の記憶を失い、精神だけが17歳になってしまうところから始まります。記憶喪失というと、その現実を知ったときにすごくショックを受けてパニックを起こすというイメージがありましたが、この主人公は17歳の精神になってしまったせいか意外と冷静で少しおもしろそうにしているあたりがリアルでした。 自分の高校生くらいの頃を振り返ると、すでに大人になったような気分でいたように思いますが、この主人公のように実際に27歳が17歳に戻ってしまうとその10年の大きさが顕著に表れ、周りの環境はもちろん自分の性格的な部分までが大きく変化しているんだなとこの映画を観て改めて気づかされました。始めは倉科カナ自体が幼くかわいい顔をしていることもあり、17歳らしい無邪気さのある演技に違和感は感じませんでした。後半に進むとやっぱり27歳の殻をかぶった17歳で、かわいそうな気さえしてくるのがこの作品のおもしろいところだと思います。 物語は静かなトーンで進んでいきますが、27歳の主人公がどういう人物なのかだんだんと紐解かれていくので常に先が気になってしまいます。主人公の目線、周囲の彼氏や家族からの目線といろいろな人の心情を自分に置き換えて観るとよりおもしろいですよ。ぜひいろいろな視点から観てみてください。 |
特別気まずいということにはならないと思いますが、主人公の男性関係の話も出てくるのでデートで観ることは積極的にはオススメできません。特に相手がネガティブなタイプだと、女子側が主人公と重ねて観られてしまい、観賞後の会話がしんどくなる可能性ありです。お互いがあまり映画に感情移入し過ぎないタイプなのであればデートで観ても大丈夫です。よく考えてから観るか1人か友だち同士で観ることをオススメします。 |
キッズが観ても問題ありませんが、観ていて途中で飽きる可能性が高いと思います。ティーンにはぜひ観て欲しい作品です。10代の自分から見た大人の自分がどう目に映るのかをこの作品で疑似体験して欲しいです。理想と現実という部分ではがっかりするかも知れませんが、心も身体もまだ若く未来あるティーンには、主人公を参考にしつつ将来の自分の大人像を想像し、これからどう毎日を過ごすのかを考える良い機会になると思いますよ。 |
©2013「遠くでずっとそばにいる」製作委員会
2013.6.5 TEXT by Shamy