2010年7月10日より渋谷ユーロスペースにてレイトショー公開ほか全国順次公開
トランスフォーマー
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男子が観たら相当引くか、逆に興味津々になるか、孤独で不気味なアラサー女の話と言ってしまえばおしまいですが(笑)、秘められた女性の一面が描かれた作品だと思いました。 彼女の過去に何があったのかは明かされないまま物語は進行しますが、“あったことをなかったことにして生きるのは難しい”というようなセリフがあり、その考えが彼女の生き方をこうさせているようです。そんな彼女の心の拠り所となるトルソの存在意義は、作者の意図とは違うかも知れませんが、私は「彼女にとって自分に絶対に危害を加えない愛の対象」を象徴しているように思いました。または、自分が好きなときに抱きしめられるけど、自分を抱きしめてはくれないトルソは、孤独を受け入れる代わりに面倒から逃れて生きるのか、面倒でも人と関わって生きていくのかというテーマを現しているのかも知れません。 とにかく、いろいろな解釈ができる点で楽しめる映画でした。不気味ではあるけれど、誰でも生きていくために自分なりの術を持っているのかも知れないと、女一人がなんとか生きていこうとしている力強さにも思えました。一人でじっくり観るタイプの映画です。女性にもせひ観て欲しいですし、男性の反応も知りたいですね。 |
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2010.7.1 TEXT by Myson