2011年8月12日より全国公開
ウォルト・ディズニー・スタジオ
ディズニー公式サイト
冒頭のシーンは「これ誰や??」と思えるほど、ブラッド・ピットが別人に見えました。今までのイメージとは全然異なり、厳格な父というキャラクターを演じていて新鮮でした。父がブラッド・ピットで、息子ジャック役がショーン・ペン。息子と言っても大きくなってからの役なのでショーン・ペンとブラッド・ピットが直接絡むわけではないですがこの設定だと想像しながら観るとさらにおもしろいと感じました。 「自分が絶対に正しい」と思い込んでいる厳格な父と彼のエゴで抑圧されている息子たち。こういうお父さんだと苦労しそうだなと思った反面、息子たちに彼なりに考えるお手本を見せようと必死な父の姿には愛情を感じましたが、それがうまく通じていないのが結構切なかったです。 『ツリー・オブ・ライフ』というタイトルがどこからついたのか、よくわからないまま観ていたら、途中で恐竜が出てきて、???となりましたが、途中で「なるほど!」と思いました。こういう見せ方ってうまいですね。これが伝説の映画監督と言われるテレンス・マリックの技なのかと、やられた感がありました。 幻想的なシーンが多く、終盤に出てくるジャックの回想というか異空間で思いを馳せているようなシーンは余計な説明はなく、ただ静かに描かれていました。抽象的な描写が多いので、くっきりはっきり何が言いたいのか知りたいという人にとってはどうかと思いますが、観ながらいろいろな想像を掻き立ててくれるこういう作品は好きです。 |
かなり哲学的な雰囲気で、抽象的な描写が多い作品なので、ふらっと入って観るよりは、これを観ようと決めて気合いを入れて観るのが良いと思います。頭を使うというよりは、特に親や家族と何か問題を抱えていたり、過去にそういうことがあった場合は、観ているうちに自分の過去にも思いを巡らさせ、自分の世界に入り込んじゃう可能性もあります。説教映画ではないので気持ちを整理できる人もいるかもしれないですが、親や家族との過去に何かあって確執があるようなことを彼や旦那さんから聞いたことがある場合は、一緒に観るべきか否か、こじ開けても良い過去なのか、まだそっとしておいた方が良いのかを考えてから誘った方が良いでしょう。 |
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2011.7.30 TEXT by Myson