2014年10月11日より全国公開/R-18
※Vol.2=2014年11月1日より全国公開
ブロードメディア・スタジオ
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実におもしろい!ラース・フォン・トリアーの頭のなかってどうなっているんでしょう(笑)。この人、本当に凄いなと思います。本作は二部構成になっていて、そのなかで全8章のストーリーが描かれているのですが、物語は色情狂と自覚している女性ジョー(シャルロット・ゲンスブール)が、年配の独身男セリグマン(ステラン・スカルスガルド)に自分の人生を語るという設定になっています。まずおもしろいのが、この2人のキャラクター設定です。一方は色情狂の女、もう一方は性に無縁とも言える人生を送ってきた男という対極にいる2人がひょんなことから知り合い会話するわけですから、彼女の物語は彼にわかりやすいように喩え話に置きかえられたりします。そうして章によって物語の語り口も変わるのですが、その喩えが釣りの理論だったり、数式だったり、普通の人だったら考えつかないような結びつきを見せるのが独創的です。さらにその喩えや、2人のやりとりのちぐはぐさが可笑しくてかなり笑えるシーンもあり、Vol.1に関してはどちらかというと滑稽さが際だったテンションで進みます。 そしてVol.2は、だんだんと緊迫度が増してきます。ラース・フォン・トリアー監督作で平和に終わるわけはないのはわかっていましたが、やっぱりだんだんと笑えない狂気の世界へ進んでいきます。…と、これ以上は観てのお楽しみということで、冒頭から独特な演出で映画の世界に引き込んでくれる作品です。 キャストもすごく豪華です。私のお気に入りエピソードは、ユマ・サーマンが登場する「H夫人」のです。女子としてはH夫人の反撃ぶりにどこかスカッとしたり、怒りを通し越しておかしくなってしまった女の意地が笑えます。また、物語に関係ありませんが、シャイア・ラブーフのマッチョな身体にもビックリ。むっちゃ腹筋割れてます(笑)。そして本作で若きジョーを演じたステイシー・マーティンがすごいです。Vol.1では彼女が主役と言っても過言ではありませんが、本作の活躍ぶりから今後が楽しみです。そんなこんなで見どころ満載ですので映画好き女子ならば必見ですよ。 |
内容が内容なので、どんなカップルでもアリとは言えません。際どいシーンだらけなので、そういうシーンを一緒に観るのが気まずいカップルはやめておきましょう。友達以上恋人未満や、付き合いたてのカップルも微妙です。まだ相手のことがよくわかっていない人同士で観ると、観た後にどういうつもりで一緒に観たのか…などお互いに考え過ぎてしまう可能性があります(笑)。男女で違う感想が出てきそうな作品なので、性的話題にオープンなカップルは一緒に観て、感想を言い合うとおもしろいのではないでしょうか。 |
R-18なので、キッズや多くのティーンは観ることができません。大きくなってから観ましょう。18歳以上のティーンの皆さんは、内容はかなり刺激的ですが根底に描かれているものは何かを考えながら観て欲しいと思います。本能が司る部分でありながら人間特有の性質も出る性について描かれた本作には、人間のあらゆる側面が映し出されているので、人間観察のつもりで楽しんでください。 |
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2014.9.30 TEXT by Myson