2017年5月5日より全国公開/PG-12
アスミック・エース
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国境を越え、メキシコからアメリカに不法に入国しようとする人々を、恐怖が待ち受けるというストーリー。いつも情報を極力入れないで観るので、こんなに激しい映画だとわかってビックリ。社会派の人間ドラマを想像していましたが、メキシコからの入国者達が、サイコな男からひたすら逃げ惑うというスリラーでした。主演はガエル・ガルシア・ベルナル、監督、脚本はアルフォンソ・キュアロンの息子ホナス・キュアロンが手掛け、製作にはアルフォンソ・キュアロンも名を連ねています。それだけでも興味津々でしたが、悪役ジェフリー・ディーン・モーガンの迫力が最高。ジェフリー・ディーン・モーガンは、海外ドラマの『ウォーキング・デッド シーズン6』から登場するニーガン役での悪役ぶりも強烈なので、そのイメージと被って、なお怖く、サイコに見えました。いろいろな事情があって、こういう方法で入国せざるを得ない人もいるのだと思いますが、なぜ命がけでこんな事をしなくてはいけないのかと考えさせられました。アメリカ国内で失業者の問題や雇用の奪い合いなど大きなしがらみがあるなかで、解決が難しいところですが、ドナルド・トランプ大統領が壁を作ると話している事も含め、こういった映画に世論がどう反応するのかも気になるところです。 |
問答無用に銃で撃ち殺していくシーンがあり、痛々しいシーンもあります。ロマンチックなムードもないし、スリル満点といってもムードを盛り上げるタイプの吊り橋効果でもないので、デートには不向きでしょう。1人でじっくり観るか、映画好きの友達と観に行くのをオススメします。 |
PG-12なので、12歳未満の人は大人と一緒に観て欲しいとはいえ、子どもには衝撃が強い内容なので、もう少し大人になってから観てください。ただ、知っておいて欲しい社会問題ではあるので、ティーンの皆さんは映画を観つつ、アメリカとメキシコの情勢について調べてみたりすると良いと思います。本作に登場する銃を放つアメリカ人が、アメリカ人の言葉を代弁しているわけではないですが、何が憎悪、敵意を生むのかを考えてみると、社会にもっと関心がわくでしょう。 |
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2017.5.1 TEXT by Myson