2014年8月30日より全国順次公開
マジックアワー
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本作は実話を元にしており、第85回アカデミー賞で外国語映画賞にノミネートされ、第65回カンヌ映画祭ほか世界の映画賞で受賞、高い評価を得た作品です。一見政治問題を描いた作品ですが、軸には「広告とはなんぞや」というテーマがある点で、視点や描き方がとてもおもしろかったです。商業的利益のためではなく国民の心を動かし国を変えるための広告であるからこそ、広告の本質が問われていると感じました。ガエル・ガルシア・ベルナルが演じる主人公のレネは、例え政治的な広告だとしても、政界のやり方に合わせるのではなく、広告屋であるスタンスを崩さず戦うのですが、そういうプロフェッショナルな人の生き様として楽しめる作品です。自分が求められていることを貫いて結果を出すというのはこういうことなのかなと、すごく刺激を受けました。PR関係の仕事をされている人も、そうでない人も、「自分の仕事って何?」「自分の役割って何?」「自分らしい仕事ってどうしたらできるんだろう?」と迷ったら観て欲しい作品です。 |
チリの政治問題にまつわるストーリーと聞くと史実系の堅い映画なのかと思う人もいるかも知れませんが、仕事熱心な人、何かこだわりをもってモノ作りをしている人は特に共感できる映画なので、思っているよりも多くの人に身近な内容ではあります。ただ、やはり映画を観慣れていない人だと、この映画のホントのおもしろさまでたどり着けないかも知れません。なので一緒に行くなら、広告やクリエイティブなことに携わっている人、そういうことに興味を持ってくれそうな人を誘いましょう。相手選びをちゃんとすれば鑑賞後に熱い会話ができる思います。主人公の夫婦関係が若干微妙ですが、男女のデートで観るときはその辺については横に置いておいても良いと思います。 |
キッズやティーンには少し難しい題材だと思います。でも高校生以上なら、この映画のテーマのどれかに興味を持てるなら観てみると良いでしょう。独裁政権下で繰り広げられる広告合戦には、国内に対してだけでなく国外に対するアピールもあり、いろいろな駆け引きが見られます。政治的、歴史的な視点で観てもおもしろい部分があるので、そういうポイントにも注目して観てください。もしかしたら今後テレビなどで観る日本の政治的ニュースも少しおもしろく見えて興味が湧くかも知れません。 |
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■TJE Selection イイ男セレクション/ガエル・ガルシア・ベルナル
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2014.7.8 TEXT by Myson