TOP > 映画批評TOP > 映画批評ナ行 > HERE

ナミヤ雑貨店の奇蹟

2017年9月23日より全国公開
KADOKAWA、松竹
公式サイト

東野圭吾作品史上、最も泣ける感動作だという噂を耳にし、逆に構えてしまい泣きはしなかったですが、心にじ～んときました。西田敏行が演じるナミヤ雑貨店の店主が、あらゆるお悩みに答えていくというお話なのですが、難題にどう返事をするのだろうというところは毎度興味が湧き、なるほどと納得がいくものでした。でもただのお悩み相談を描いているだけならスケールはある程度で収まってしまいますが、そこにファンタジーの要素が加わっていることで、よりドラマチックになっており、物語の構成の上手さを実感させられました。
若手俳優は実力派が集まり、西田敏行の貫禄にも負けていません。自分の人生を変えてくれた、今まで会ったいろいろな方々への感謝の気持ちを思い出させてくれる本作。老若男女、幅広く楽しんで頂けると思います。

カップルで観て気まずいシーンはないし、これまでの自分の経験を話すきっかけにできる内容なので、これからもっともっとお互いを知りたいと思っている交際ほやほやのカップルに特にオススメです。手紙の良さも感じられるので、たまには手紙のやりとりをしてみるきっかけにするのも良さそうです。

キッズにはまだピンとこない部分があるかも知れませんが、ティーンの皆さんなら、山田涼介、村上虹郎、寛一郎の目線で感情移入しやすいのではないでしょうか。直接皆さんがナミヤ雑貨店の店主から返事をもらえなくても、やり場のない感情にどう向き合えば良いかのヒントが描かれています。また、自分にとっては大した事でないように思える事が他人の人生を大きく変えてしまうことも描かれているので、人との接し方を見直せると思います。

2017.9.4　TEXT by Myson