“猫の街”として世界的に知られるトルコの古都イスタンブールを舞台に、個性豊かな野良猫と地元の人々との幸せな共存関係を追ったドキュメンタリーです。メガホンを執ったのは、本作で長編デビューしたトルコ生まれアメリカ育ちの女性監督、ジェイダ・トルン。アメリカでは単館上映からスタートして130館まで拡大し、映画評論サイト「Rotten Tomates 」でも98%の高評価を獲得したという注目作で、ジェイダ監督は地上10センチの猫目線から街の景観や人々を映し出していきます。その風景は優しさと温かさに満ちていて、異国でありながらもどこか懐かしさを感じました。日本では野良動物は殺処分され、街なかでその姿を見ることはあまりないですが、イスタンブールで暮らす野良猫は住人達から食料や寝場所を与えられ、当たり前のように人々と暮らしています。人々はご近所さんに挨拶するように、馴染みの猫と触れ合い、猫のほうも意外に礼儀正しく人間と接しています。互いが思いやりながら自由に暮らす、そんな幸せな関係がとてもステキに見えました。しかし、イスタンブールでも都市化が進み、野良猫達は少しずつ居場所を追われているそうです。さみしいですが、もしかすると本作に収められた風景は数年後にはすっかり変わっているのかも知れません。そう考えると、猫と人と街の記録映画としても貴重な作品と言えそうです。
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猫好きのカップルなら、ぜひデートで観てください。猫達がのんびり暮らすイスタンブールの街並みもステキで、観賞後は「一緒にトルコ旅行に行かない?」なんて誘うきっかけにもなりそう。映画からの猫カフェデートなんていう、“猫づくし”の1日も楽しそうです。 |
猫に興味があるキッズやティーンなら観ているだけで楽しめると思いますが、劇映画と違ってストーリー的な盛り上がりには欠けます。そのため、小さいお子さんだとちょっぴり飽きてしまうかも知れません。どちらかというと、大人向けの作品と言えるでしょう。 |