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ナイトクローラー

2015年8月22日より全国公開
ギャガ
公式サイト

ストーリー自体は身近で起こっているような話とは次元が違っていますが、主人公のキャラクターに関しては「こういう人いる！絶対いる！」っていうくらい本当にリアルに演じているジェイク・ギレンホール。やっぱりこのお方の演技はいつも見応えがあります。彼が出ている作品は必ず観たいと思うのですが、期待を裏切られたことは一度もありません。今回は演技もさることながら、12㎏の減量を行い、いつも何かに飢えているようで不気味な主人公のキャラクター性をビジュアル的にも見事に体現しています。そんな主人公ルイスがあまりに強烈なのですが、「こういう人間が世の中で一番厄介なんだよな」とつくづく思いながら、「私は絶対こんな人間に会わずに済む人生にしてください」と祈りながら観る思いでした。でも、絶対にどんな状況でも自分のペースに持ち込む彼の話術は少々学ぶべきものを感じたり、絶対にこいつを敵に回してはいけないと感じさせるオーラは時に身につけてみたいと思わせる魅力的な面もあるのが憎いです。脚本、俳優、演出とどれも見事な作品。満足感抜群の映画です。

ビジュアル的には耐えられたとしても、精神的にエグい内容なので、デート向きとは言えません。また、普段押しが弱い男性は特に、主人公のエゴイストな部分がパワフルに見えて、もしかしたらちらっと憧れを抱いてしまうことも否めません。でも主人公は本当にクズ野郎で、女性に対しても傲慢なため、変にお手本にされても困ります。これは女子同士で行って、「こういうイヤな人っているよね！」と女子トークを楽しむ方が良いでしょう。

お手本にして欲しくないタイプの大人がいろいろ出てくるので、キッズにはまだ観て欲しくない内容です。中学生くらいなら内容は問題なく理解できると思いますが、観る人の状況によっては主人公の魔のエネルギー、思考に変に共感して憧れてしまう可能性もあるでしょう。憧れるだけなら全く問題ないし、それくらいインパクトのあるキャラクターで魅力的ですが、本作に登場する人物や、人間関係を客観視できる年齢になってから観て欲しい気がします。

2015.7.28　TEXT by Myson