マイケル・ジャクソン、ミック・ジャガー、スティング、スティーヴィー・ワンダー、デヴィッド・ボウイ、ティナ・ターナー、カイリー・ミノーグなど、世界の名だたるアーティストと共演したバックシンガーにスポットを当てたドキュメンタリー。華やかなショービズ界でスターにすぐ手が届きそうな位置にいながらなかなかバックコーラスからソロデビューへステップアップできない現実や、時代によっては男尊女卑、黒人差別などの問題も描いています。衝撃的だったのは自分の声で別の人が口パクでデビューして売れたというケース。ありそうでなさそうと思っているような話でも、やっぱりショービズ界は何でもありなんだなといろいろな意味で業界の厳しさを感じました。
そして、バックコーラスから抜けソロデビューしてスターになるのは狭き道ということだけを描くのではなく、スターになる人の素質、バックコーラスという立場に甘んじる人、そこから抜け出したくても抜け出せない人の特徴などもいろいろな人の理論で語られ、観ている側としても「夢を叶えること」「夢を叶える覚悟を持つこと」とはどういうことかを考えさせられました。でも、どの立場でも結局は「好き」という気持ちに支えられているんだなという部分は共感できて、どんな業界でどんな仕事でも、自分が何を選ぶか、何のためにやるのかは、自分の価値観に従えば良いんじゃないかと思いました。決して「ソロで売れることが良いこと」と言っているわけでもなく、いろいろな人を客観視して描いている部分が良かったと思います。音楽に詳しい人は名だたるスターのエピソードが登場するのでより楽しめると思いますが、音楽に興味がない方でも楽しめますよ。 |
ドキュメンタリーは好き嫌いが分かれるし、音楽に興味があるかないかで反応も変わりそうなので、特にデートでオススメというわけではないですが、二人とも本作に興味が持てるなら一緒に観ても楽しめると思います。音楽ライブなどによく行くカップルは、本作を観ると今後バックコーラスの人にも注目したくなるでしょう。もちろん気まずくなるようなきわどいシーンもないので、その点はご安心を。 |
日本とアメリカで事情は異なるかも知れませんが、本作ではバックコーラスから一躍スターになった人も登場し、バックコーラスの効果が効いた曲も多く紹介されるので、これからバックコーラスの人にも注目して音楽を聴いてみたいと思うようになるでしょう。内容はキッズには少々難しいかも知れませんが、洋楽に興味を持ち始めた人には楽しめると思います。あとは歌手になりないと思っているキッズやティーンは、夢を追うこと、叶えること、叶ったあとに維持することの難しさを学べると思います。でも、この映画で描かれている現実的な厳しさだけを観るのではなく、希望も感じて、将来何になりたいか想像してみるきっかけにして欲しいと思います。 |