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BPM ビート・パー・ミニット
2018年3月24日より全国公開/R-15+
ファントム・フィルム
公式サイト
1990年代初頭のパリを舞台に、“ACT UP-Paris”という実在する団体に所属する若者達の姿を描いた本作。実際にHIVに感染したメンバーもいれば、そうではないメンバーもいて、それぞれに熱心ではありますが、それでも温度差がある点で、私達の身の回りの状況と同じだなと痛感しました。実際にそうなってみなければ「自分には関係ない」「自分だけは大丈夫」という感覚だし、HIVについて深く知ろうともしないので、政府や製薬会社との対立だけでなく、彼等はそういう世の中の風潮と戦っているんだなというのがひしひしと伝わってきました。また、HIVについてだけでなく、性行為についての価値観も一つのテーマになっていて、セックスが快楽のためだけではなく、一人の人間として愛されたい、愛したいという気持ちからするものだというメッセージが込められているように感じました。性描写がすごく濃厚なのですが、愛を感じられる演出だったので、美しさがありました。あと印象的だったのは、即効性のある対策として、コンドームの使用を呼びかけたり、清潔な注射器を配ったりしていたことです。ドラッグ常用者に対して「薬を使うな」と言ってもやめないだろうから、まずは注射器を配るという発想なのかなと思いましたが、本当に切羽詰まった状況にあるんでしょうね。私自身、HIVについての知識は浅いと自覚しましたし、HIVに苦しむだけでなく、HIV患者、感染者に対する差別もまた厳しいものだというのがわかり、ショッキングではありましたが、多くの人が知るべき事実だなと思いました。でも、こういう事を知ってもらいたいという意味だけではなく、本作のスタイリッシュな世界観や、濃厚で美しい性描写など、映画としての見どころもありますので、いろいろな観方を楽しんでください。 |
性描写が多いので、デートで観るには少々気まずいと思います。HIVに対してや、同性愛者に対して、誤解を持つ人ほど観て欲しいとは思いつつ、相手にも寄りそうです。軌道修正できそうな相手なら、ぜひ一緒に観て、誤解を解いて欲しいと思いますが、拒絶反応が激しい人は無理に誘わないほうが良いかも知れません。 |
HIV感染と性行為は密接な関係があり、若い人には特に自覚を持って欲しいところではあるので、15歳以上なら観てみても良いのではないでしょうか。親子で観るのはかなり気まずいので、仲の良い友達と行くか、1人で観るかだと思いますが、わからない事や不安な事があったら、大人に相談することも必要です。 |
© C line Nieszawer
2018.3.14 TEXT by Myson