秘密のオブジェクト

場面写真からして純愛映画に見えるのに、なぜR-18なんだろうと思っていたら、濡れ場が多くて、子どもにとっては過激な言葉も若干出てきたので納得です。でも、そういう部分を除くと、予想通り年の差カップルの純愛映画で、ストーリー構成や映像演出が独創的で不思議な世界観を持つファンタジー映画のような雰囲気もあります。21歳の青年の葛藤と、40歳の女性の葛藤は、予想とは反するもので皮肉な展開が、愛と性とのバランスや、世代の価値観をうまく物語っています。「いくつになっても女でいたい」と願う女性の心理描写がとてもリアルでしたが、女性監督だからこそでしょうね。
40歳にもなると自分の環境が固まってきて、それに不満があっても守りに入ってしまいがちなところを「情熱的な恋をして、もう一度女として輝く」ことの価値を描いた本作は、主人公と同じ世代でなくても、女性なら誰しも共感するのではないでしょうか。最近乾ききってるなと自覚している女子にはぜひ観て欲しいと思います。