今年で結成10周年を迎える和製ヒップホップ・ユニット、Hilcrhyme(ヒルクライム)。2016年4月15日に東京のディファ有明で行われた彼らのアニバーサリー公演、“Hilcrhyme 10th Anniversary LIVE「PARALLEL WORLD」”を3Dカメラで撮影し、邦楽アーティスト初となる立体音響システム“ドルビーアトモス(Dolby Atmos)”を採用してライブ映画化したのが本作です。トーキョー女子映画部でも、ドルビーアトモス音響で作品を鑑賞する部活を度々行い、その圧倒的な臨場感と繊細なサウンド表現を記事上でご紹介してきましたが、やはりこのスゴさは生で体験してこそだと、あらためて感じました。肝心のライブは、360度観客に囲まれた円形ステージで、MC TOC とDJ KATSUがデビュー当時からのシングル曲と代表曲を、MCを交えながら次々と披露するという極めてシンプルな構成。取り立てて派手な舞台演出やパフォーマンスもないのですが、それが逆に彼らの楽曲の良さを際立たせていました。正直、本作を観るまでは“春夏秋冬”くらいしか知らなかった私ですが、あらためて彼らの奏でるメロディーの美しさやMC TOCのラップのうまさ、そして熱いメッセージが込められたリリックに胸を打たれました。立体音響と3D映像による没入感も予想以上で、ステージと客席の距離や位置関係を感じるのはもちろん、ステージ上のMC TOCとDJ KATSUの距離感や、2人の間の空気感まで伝わってくるようで、ファンにはたまらないものがあると思います。気になる方は、ぜひ劇場で体感してください。劇場によってはドルビーアトモスではなく5.1chサラウンド上映になるので、足を運ぶ前に公式サイトでしっかりチェックしてくださいね。
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Hilcrhymeファンなら間違いなく盛り上がれる作品ですし、彼か彼女のどちらかがファンなら、相手にHilcrhymeの良さを知ってもらうチャンスになると思います。もちろん、音響マニアにもオススメです。ライブの良さと、映画ならではのカメラワークや映像演出の両方を楽しめて、ライブを映画館で観るのも意外とアリだなと思わせてくれます。体感型の作品としてアトラクション感覚で足を運んでみてはいかがでしょうか。 |
ヒップホップ系のアーティストのライブなどは、キッズやローティーンにとっては敷居が高いのではないでしょうか。保護者がいないとなかなか生のライブには足を運べないと思います。そんな人にこそ、ライブ映画がオススメ。ここでしっかり経験を積んで、大人になったら晴れて生ライブデビューというのもアリですよ。 |