1970年代初期の実話を映画化していますが、こんなにあからさまに男尊女卑が横行している状態だったのかと思うと、改めて驚きます。時代錯誤な人間が権力を握っているままだと、社会は成長しないなと実感させられるストーリーで、今日本のニュースでも騒がれているパワハラ、セクハラの問題にもすごく通じています。時代、国を問わずに関心が持てる内容だし、ただフェミニズムを訴えているだけでなく、スティーヴ・カレルが演じるボビーのキャラクターを通して、時代の変化に抵抗する男性の焦りみたいなものも見えて、男女ともに共感できる部分があります。エマ・ストーンが演じたビリー・ジーン・キングのセリフにもありましたが、男女どちらが上かということを言っているのではなく、「敬って欲しいだけ」という主張もとても印象的でした。そういう主張の細かいニュアンスの違いなども本作を通して、多くの男性にわかって欲しいなと思う部分もあり、男女が歩み寄るきっかけとしても、ぜひヒットして欲しいと思います。あと、女子選手のユニフォームについて、ファッション的目線でも楽しめます。LGBTQもテーマの一つなので、いろいろな視点でお楽しみ頂けます。 |
古風なカップルの場合、男性の反応がどっちに転がるか読めませんが、敢えて一緒に観て、これを機に女性の意見をぶつけてみるのもアリかも知れません。男性を敵視している女性の話ではなく、女性の存在価値を認めて欲しいと活動する女性達の物語で、核となるメッセージを理解できれば、普段の人間関係にも少しプラスになると思います。女性はどんなことに不快感を覚えるのかというのもわかると思うので、日常で女性との接し方に悩んでいる男性を連れていくのも良いと思います。 |
大人よりもむしろキッズやティーンの皆さんのほうが、男尊女卑なんて時代遅れだと理解していると思いますが、遡って長い期間、日本に限らず世界でも、女性の権利を求めて活動している人がいるということを知っていて損はないと思います。また、主人公ビリーのように、影響力を持つ人物が社会に呼びかけること、活動することがいかに大切かもわかると思います。周囲の人達も含めてですが、誰かの努力があって、今があるということも感じてもらえると嬉しいです。 |