2017年4月29日より全国順次公開/R-15+
ロングライド
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『グッバイ、レーニン!』のヴォルフガング・ベッカー監督とダニエル・ブリュールが、再びタッグを組んだ本作。大成功を収めながら、その成功のせいで愛する女性と別れた事を嘆き生きてきた老人と、うだつの上がらない生活から脱して大成功を収めようと必死な若者。この2人が旅をすることで、ある意味“開眼”する物語です。ダニエル・ブリュールが演じる主人公のゼバスティアンの粗野で無礼な態度がすごくリアルで、最初はイライラするのですが、そんな男だからこそ徐々に変化し、成長していく様に共感できます。ほんとダニエル・ブリュールって、演技が上手! 噛めば噛むほど味が出てくる本作ですが、“これ以外に何もない”という思いを捨てれば、光が見えてくるという展開も、哲学的で好きです。“これ以外に何もない”という思いでがむしゃらになる事も大切だし素敵ですが、どうにもいかなくなったら、一旦その考えすら捨ててみるという方法も必要かも知れません。固執することで見えていなかったものや真相が見えてくる。そんな人生の楽しさを教えてくれる秀作です。 |
ミニシアター系やアート系の作品を好きな人を誘うにはバッチリですが、淡々とした物語なので、普段派手なアクション映画などしか観ない人には少し物足りないかも知れません。ロマンチックな要素はあまりないので、ラブラブなムードを期待して映画デートをする人には不向きでしょう。逆に、ロマンチックなムードが苦手なカップルには観やすいと思います。 |
大人になって酸いも甘いも経験した上で観るほうが楽しめる内容です。ティーンの皆さんは主人公ゼバスティアンの目線で物語に入り込むと思いますが、この映画の持つテーマを今のうちに理解できたら、大人になっても有意義な人生を送れるのではないでしょうか。 |
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2017.4.19 TEXT by Myson