2017年4月21日より全国公開
KADOKAWA
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2010年4月20日、アメリカのルイジアナ州にほど近いメキシコ湾沖の石油掘削施設ディープウォーター・ホライゾンで大事故が発生。本作は、ニューヨーク・タイムズの記者達が生存者に行ったインタビューを元に、事故の直前から直後までの様子を描いています。大幅な工期の遅れを取り戻そうと安全確認の手順を省いた事が原因で、大火災と原油漏れという事態を巻き起こした様子がリアルに再現されていますが、利己主義に走ってしまう人間の愚かさを浮き彫りにすると同時に、他者を守るために自己犠牲を払う人間の良心も映し出されていて、自分ならどうするか、どちらの人間になりたいか、問われているような気持ちになりました。結局、権力を持った人間が目先の利益を優先したせいで、大損害を被っただけでなく、11名の作業員の命までも奪ってしまったわけですが、こういう例は形は違えど、私達の日常にも転がっています。余計な事は語らずとも、当時の様子をそのままリアルに描いているだけで、充分に多くの事が伝わってきて、とても戒めとなる映画であり、すごく危険な状況で仲間を救おうとする作業員達の奮闘に何度も涙が出る感動作です。 |
11名の死者を出した実際の大事故を映像化しており、その迫力から被害の大きさもリアルに体感できると思いますが、内容からして、あまりロマンチックなムードになる余裕はないでしょう。ただ、マーク・ウォルバーグが演じる主人公の夫婦愛は、生きて家族の元に帰ろうとする糧になっているので、カップルで観るとより絆の深さを求め合う気持ちになれるかも知れません。 |
たびたび起こる爆発のシーンはかなり迫力があり、破片が飛び散り多くの人が痛々しい怪我をするシーンがあるので、小さなキッズには衝撃が強いと思います。内容は誰でも理解できるので、前述のようなシーンに耐えられるなら、小学校高学年以上なら観てみても良いのではないでしょうか。やるべき確認を怠るとどうなるか、自分の事ばかり考えているとどうなるか、反面教師となる事柄が描かれていて、同時に他者を見捨てず助けるというお手本も描かれています。 |
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2017.4.24 TEXT by Myson