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ファーナス／訣別の朝

2014年9月27日より全国公開／PG-12
ポニーキャニオン
公式サイト　　　

レオナルド・ディカプリオ、リドリー・スコットが製作、主演クリスチャン・ベール、共演も蒼々たる演技派が揃っているので観ないわけにはいきません。物語は派手ではないですが、クリスチャン・ベイルが演じる主人公ラッセル、弟ロドニー役にはケイシー・アフレック、他にもウディ・ハレルソン、ウィレム・デフォー、フォレスト・ウィテカー、ゾーイ・サルダナ、サム・シェパードと、これでもかっと言わんばかりの豪華キャストが揃っています。中でもケイシー・アフレックは、物語のなかで一番人間性が変化し、崩壊していく難しいキャラクターを見事に演じています。
印象的だったのは、ラストシーンに繋がる狩猟のシーン。途中までは何を表現したいのかなと不思議に思いながら観ていましたが、ラストシーンの状況と対比され抽象的に表現されているとわかります。観る者に想像の余地を残す演出で、静かに地道に生きている一人の男が、あらゆる出来事に巻き込まれながら行き着いた人生観を描いている作品です。何が正義かとかいうものさしではなく、自分が置かれた世界で何を受け入れたかを示している点で訴えかけてくるものがあります。女子向けという感じではないですが、映画好きにはオススメです。

ラブストーリーの要素も意外にありますが、恋愛に対する希望よりも現実を突きつける内容なので、本作を観て二人のムードが盛り上がるという感じではありません。わかりやすいストーリーというわけでもないので、あまり普段映画を観ない人、わかりやすく波がある大作しか観ないという人にはピンとこないかも知れません。明るい内容でもないので、デート向きではありませんが、2人とも映画好きで、俳優で作品を選んだりするくらいなら、この豪華キャストの出演で楽しめると思います。

キッズにはまだ難しい内容です。またビジュアル的に辛いシーンもあるので、大人になってから観る方が良いでしょう。ティーンは理解できると思いますが、大人の渋い現実を描いたストーリーにどこまで感情移入できるかとなると微妙です。ただ、観る側にいろいろと想像させてくれる描写が多いので、映画的好奇心の強い人は観てみると良いでしょう。

2014.9.17　TEXT by Myson