2019年3月15日より全国公開
ビターズ・エンド、パルコ
公式サイト
女王が国を統治する立場にあっても、結局時代を問わず男性優位である状況は変わらないんだなと思えるストーリーで、現代の女性達にも通じるものが多々あります。結婚せずに“男”であることに徹するエリザベスと、結婚することで力を得ようとするメアリー。一見2人の女王の権威争いなのですが、実は敵はお互いではなく、彼女達が置かれている境遇なんだと、観ていくうちにわかります。そういう状況下で、女のままで国を統治するのが難しく“男”になったというエリザベスのセリフがとても切ないですが、これって私達の社会でも、出世を望む女性がぶつかる問題です。ならば結婚するメアリー女王の選択が良いのかというと、そうは言い切れない。結局、結婚してもしなくても不利を背負うのは女性というところで、本当は女性同士が一番良き理解者になりえるはずなのですが、意地とプライドがそれを邪魔してしまう展開は、これまた現代社会の女性同士の関係にも似ていてとても苦々しいです。シアーシャ・ローナンが演じる凛としたメアリー女王も魅力的で、マーゴット・ロビーが演じるエリザベス女王の悲壮感と不気味さもインパクトあり。複雑な心境になりながらも女性なら誰しも共感せずにはいられない作品です。 |
現代社会の女性にも通じるリアルな心情を描いていて、女性が悶々としてしまいそうなストーリーなので、デートで観た後に彼が何気なく不用意な発言をしてしまうと、カチンとさせてしまうかも知れませんね。思わず愚痴りたくなる場合もあるので、女性同士で観るか、1人でじっくり観ることをオススメします。 |
本作は実在したメアリー・スチュアート(1542-1587)と、エリザベス1世(1533-1603)の物語です。イギリス史で登場する主要な人物なので、学校の授業で習っていれば、もっと身近に感じられるでしょう。多少人物についてや、スコットランド王国とイングランド王国との関係など、知識を得てから観たほうが理解しやすいと思います。本編を観る前に調べてから観ると良いでしょう。 |
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2019.1.30 TEXT by Myson