2014年7月26日より全国公開/R-15
アスミック・エース
公式サイト
本作は第67回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品作品で、監督は『殯の森』でカンヌ国際映画祭グランプリ(審査員特別賞)を受賞した河直美が担当しています。 芸術性の高い作品なのかなと想像はしていましたが、やはり単純に高校生の初々しい恋模様が描かれるだけでなく、親の愛情や命の大切さを知って男女が成長していく物語となっていました。舞台は自然豊かな奄美大島で、都会のざわついた雰囲気がない分、人間の生々しい感情も浮き彫りにされていたように思います。なかにはヤギの屠殺(山羊汁にするため)や、人間を神様として崇めるといった奄美大島の風習を表す場面もあり、神秘的で不思議に思う部分もありました。でも主人公も同じような目線でそういった風習に触れていくので、観ている側も一緒に考えさせられ、その様子を素直に受け入れることができました。 主人公の界人役を演じた村上虹郎は、村上淳(本作でも父親役で登場)と歌手のUAの子で、本作が俳優デビュー作となっています。顔立ちもキレイで、まだどこか少年っぽさも残る彼は、男の子から男性へと変わっていく界人役にぴったりで、デビュー作とは思えない存在感を放っていました。島のスローなテンポで描かれる、恋愛、親の離婚、病気、性といった人間的なテーマが詰まった作品です。ぜひ初々しい男女の成長を見届けてください。 |
高校生の男女の恋愛を中心に考えると、どのデートで観ても良いと思います。ただ屠殺のシーンや高校生が裸になるシーンもあるので、そういう描写があることだけは踏まえて観た方が良いと思います。全体のストーリーとしては、生きる上での壮大なテーマが描かれているので、カップルで観てたまには真面目に語ってみるのも良いと思います。あとは、恋愛に鈍感な主人公の界人の変化も描かれているので、彼の成長過程を観て、奥手な男子を刺激するのも良いのかも知れません(笑)。 |
R-15なのでキッズは観られません。15歳以上のティーンは界人と同世代にあたるので、共感できる部分が多いと思います。界人が抱える不安や不満が解放されていく様子を観ると、きっと自分自身も少し大人になれるかも知れません。特に都会に住むティーンは、島の生活を知る機会にもなると思いますし、風習などよくわからない部分はあとで振り返って調べると勉強にもなりますよ。 |
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