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ハルチカ

2017年3月4日より全国公開
KADOKAWA
公式サイト

男女が主人公のティーン・ムービーなら、主人公２人は大体恋愛に発展しますが、本作はその枠にはまらない特別な関係を描いていて、新鮮でした。異性の親友に近い関係だとは思いますが、そこに何とも説明し難い空気感がある点で、ただの親友とも違うし、恋人未満というわけでもない。そんな２人の特別な関係性をうまく表現しているなと思いました。主人公の千夏が突然暴力的なキャラクターになるところに若干違和感がありましたが、可愛すぎる橋本環奈が演じていることで、威勢の良い女子として親近感が出ているとも言えます。あと本作は、脇役がとても良い味を出していて、恒松祐里、清水尋也、前田航基など、若手演技派が名を連ねています。また、“午後の紅茶”のTVCMでCharaの“やさしい気持ち”を熱唱して話題の、上白石萌歌（姉は女優の上白石萌音）もさわやかな演技を披露しています。本作は、フルート初心者の千夏が、解散しかけていた吹奏楽部を再生しようと立ち上がり、幼馴染みの春太（Sexy Zoneの佐藤勝利）や仲間達の力を借りて、苦難を乗り越えていく青春ムービー。とてもひたむきな学生達の姿を観て、応援したくなると同時に、自分にも影で支えてくれる仲間がいつもいることに気付かせてくれます。

気まずい要素は全くないので、デートで観てもオーケーです。主人公達と同世代のティーンの皆さんは、共感度抜群なのはもちろん、大人が観ても、学生時代を懐かしんで昔話に華を咲かせるきっかけにできるでしょう。さらに、好きな音楽の話や、演奏を習ったことのある楽器など、どんどん会話の幅を広げられそうです。

高校生が主人公なので、学生の皆さんは等身大でこのストーリーを楽しめるのはもちろん、部活に励んでいる人達はなお共感できるでしょう。キッズが観ても充分理解できるので、興味があればぜひ観てください。
団体で行う部活では、チームワークが試されますが、１人の失敗が皆の足を引っ張ってしまうことが大きなプレッシャーになります。それでもチームだからこそ助け合える素晴らしさが本作では描かれているので、普段は当たり前だと思ってしまう友達の貴重さに改めて気付くきっかけにもなるでしょう。ラストはとってもカッコ良くて感動しますよ。

2017.2.27　TEXT by Myson