一見何でもない日常を映し出していて、淡々と物語が進んでいくのですが、少年少女の心情がとても丁寧に描かれていて秀逸。思春期特有のフワフワ、ユラユラしたアイデンティティと、薄々他者との違いを気付き始める不安の描写が、すごくリアルでした。10代の友情はすごく強くて美しいけれど、壊れた時には、あまりに残酷なものに変わる。それは自分という“個”がまだ固まっていない年頃だからこその防衛本能が働くからなのかも知れません。友達を救いたいけれど、自分まで溺れてしまいそうで逃げてしまう。でも、割り切って罪悪感を振り払えるほど大人じゃないから、苦しむんですよね。
LGBTのストーリーとしてだけ括るのはもったいない、いろいろな感情が渦巻く青春ドラマです。アイスランド映画(製作国はアイスランドとデンマーク)独特の世界観も味わってください。 |
女子はあまり気まずく感じないと思いますが、男子はLGBTの話題に敏感な人もいるので、相手の映画の好みや価値観があまりわからないうちは、デートで観るには不向きだと思います。女子は友達同士で観るのも良いと思いますが、男子は主人公達と似たような体験がなきにしもあらずで、こういうケースをどう捉えるかが両極に分かれそう。1人でじっくり観るのが一番良いように思います。 |
いろいろあっても友達を大事にしなきゃと思えるストーリーだし、ティーンの皆さんは等身大で共感できる内容だと思いますが、あまりにリアルだからこそ、良くも悪くも大きく影響を受けるのではと思います。いくら仲が良くても、仲が良いからこそ言えないこともあります。誰でもそういう事がありえると考えると、友達同士で観たらどんな感じになるんだろうと読めないところがあるので、1人で観るか、兄弟姉妹で観るのが無難かも知れませんね。 |