2012年3月31日より全国公開
ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
公式サイト ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン公式サイト
このストーリー、心にグッときました。単に黒人差別時代の話としてでなく、女性としていろいろな見どころがありました。今の時代に生まれた日本人である自分が、いかに恵まれた環境なのかを実感しましたし、その有り難みを感じて毎日大事に生きないといけない気持ちになりました。 あの時代、あの土地に暮らしていた、劇中のどの女性もどこか悲しい一面というか、悩みを持っていて、それはメイドとして差別を受けながら安賃金で働いている黒人女性をはじめ、生き方や考え方を強要され周りに同調しないと生きていけない白人女性にも苦悩はあったように思います。それが両方描かれている点でもとてもおもしろかったです。 大きなポイントとして、子育てが取り上げられていて、メイドとして働く黒人女性は自分の子どもを他人に預けて、白人の子を育てる。それも本当の親よりも親らしく接する。白人の女性は社交に必死になって、わが子はメイド任せ。これって誰にとっても不幸だなと思いました。白人女性側にも「早く結婚して子どもを産まなければいけない」ということがまるで義務になっていて、どんな立場でも女性たちは抑圧されて生きていたんだなと思います。だからこそ、女性同士の付き合いもどこかぎこちなくて、ウソっぽい。中身でなく表面だけ繕って生きている人たちが多いなかでは、こういう光景って今の時代も見かける光景ではありますね。あ〜私は絶対こういうの無理です。 そして黒人女性たちはもっと過酷です。賃金は安く、差別社会のなかで反論すれば職を失い、自分や家族の命に危険が及ぶこともあるので何もできずにいます。でもそんな中、取材に協力したエイビリーンの勇気ある行動は、やがて周囲の女性たちを開眼させ、どんどん幸せにしていきます。そして彼女の親友ミニーの協力も得て、黒人女性だけでなく、主人公スキーターたちも自分の生き方を見つけていく姿に感動しました。 最後は切なくはありましたが、自分に正直に発言し、新しい人生のスタートを切ったエイビリーンの次のステップにだったのだと勇気をもらいました。そして彼女がヒリーに対し「あなたは悪魔だ。そんなことをいつもやっててしんどくない?」というセリフ、雇い主のエリザベスに「私の子どもをお願いね(実母はエリザベスだがエイビリーンが面倒を見ていた子どものこと)」というセリフが心に刺さりました。ただの嫌みじゃなくて、憎しみもありながらどこか優しさもあり、いろいろな気持ちが入り交じっているように感じました。 とにかく本当に観て良かったなと思える映画でした。女子は必見です! |
女子友だち同士で観て語り合ったり、1人でじっくり観るのがお薦めな映画ではありますが、デートで観て男子の意見も聞くのもおもしろそうです。かなり女性視点で描かれているけれど、男性は男性にも責任があることを理解するのかどうか、知りたいところですね。あまりに保守的な男子に見せた場合、効果がどっちに転ぶかが微妙ではありますが、女子に対して理解のない男子に見せてやりたい映画です。劇中のなかでも一部の男性を覗いては傍観者です。夫や彼氏が傍観者で終わらないように、映画を観た後は感想に織り交ぜて、自分の意見も主張できると良いかも知れないですね。 |
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2011.11.23 TEXT by Myson