2017年9月29日より全国公開/PG-12
東北新社
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本作は、出生時より脳性麻痺による四肢の痙性麻痺があり、身体障がい者のセクシュアリティに関する支援、啓発活動を行っている熊篠慶彦氏の実話を基にしたストーリー。“身体障がい者とセックス”という、日本ではタブー視されがちな題材を、リリー・フランキー、清野菜名を主演に迎え、ポップに描いています。というか、タブー視されているからこそポップにして身近な物語として描写したのだと思いますが、ポップなラブストーリーにしただけではなく、自宅での過ごし方や健常者とのやりとりは、とてもリアルに丁寧に描いているのがわかります。こう言っては語弊があるかも知れませんが、このテーマは下手をすると、“物珍しい”という先入観を植え付ける可能性もあります。でも、この作品は何を伝えるべきかを吟味して作られていると感じました。遠くの誰かの話だと思って観てしまっていたとしても、ハッとさせられる設定が突如として出てきたり、ちゃんと軌道修正してくれる演出が見事でした。本作を観ただけで理解できたなんてことは言えませんが、大切な一歩にはなると思います。 |
過激な性的シーンはあまりありませんが、性をテーマにしているだけに、性的な言葉やアイテムは当たり前のように出てきます。なので初デートや、交際ホヤホヤのカップルは少々気まずいかも知れません。でも、付き合いが安定しているカップルは、敢えてたまには性をテーマにした映画を観てみるのも良いのではないでしょうか。あからさまに話し合うというのはできなくても、何か得るものはあると思います。 |
12歳未満の人は大人と一緒に観て欲しいですが、親子で性について会話をした事がない人は突然一緒に観ると、どこから話せば良いか少し戸惑うかも知れません。もちろん親御さんが自ら性教育をするのは素晴らしいと思いますが、思春期の人は特に親子では観づらいと思うので、学校である程度学んでから、友達と観るというのでも良いと思います。 |
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2017.9.20 TEXT by Myson