2013年4月20日より全国公開
ビターズ・エンド
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とても静かな映画で物語もゆっくりと進んでいきますが、飽きることなく独特の空気感を楽しめました。あることがきっかけで6年ぶりに大学時代の友達に会おうとしているジンコと素子、親友と音信不通になっている原木の物語がだんだんと交わっていくのですが、ジンコ、素子、ミキの3人の女友達(もともと大学時代の友達)と、それを少し客観的に見つつ自分と親友についての関係を思い返す原木という4人のキャラクターがうまくポジショニングされています。原木が一番鑑賞者の視点に近く描かれていますが、ジンコたち3人のやりとりを客観的に観て、「私だったら、どうするだろう?」「こういうとき私に何ができるだろう」と考えさせられます。私も自分の友達に置き換えて、「あの子だったら、こういうときジンコみたいな反応をするだろうな」とか、いろいろと思いを巡らせました。結局明確な答えが出るわけではないですが、「友達ってこういうもんだよね」「これでいいんだよね」と、改めて友達の絆を感じてほろっとします。テーマは「自殺」ですが、露骨に出てくるのではなく、静かにその真相に迫っていき、暗い終わり方はしませんのでご安心を。ぜひ女子友達同士で観て欲しい映画です。 |
デートで観ても問題はないですが、敢えてデートで観なくても良いのではという内容です。イヤな終わり方はしないし、「自殺」をテーマにしている割りには、終始ほのぼのとした雰囲気ですが、テーマがテーマなだけに楽しい気分で観るようなタイプの映画ではありません。物語の起伏がそれほどなく、キャラクターの心の動きを静かに描いている映画ですので、普段映画をあまり観ない人にとっては少々退屈かも知れません。一人か友達同士で行くのが良いでしょう。 |
結論をはっきり表現している映画ではないし、友達の自殺未遂をきっかけに物語が展開するという意味でも、まだキッズには難しいですね。中学生以上なら、だんだんとこういう友達関係について考えるようになるので、「友達って何だろう」「友達が本当に苦しんでいるときに何をしてあげれば良いんだろう」と考えてみるきっかけになるかも知れません。「自殺未遂」というキーワードに囚われすぎずに、映画を観て何を感じたか、自分の友達とのつきあい方についてはどうかなど、親子で話をしてみると良いと思います。 |
© 2013『ペタル ダンス』製作委員会
2013.4.17 TEXT by Myson