2016年1月9日より全国公開
アスミック・エース
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キャッチコピーにある「62分後の衝撃」は、こういうタイプを観慣れている場合、強い衝撃に感じ無いかも知れませんが、『ピンクとグレー』というタイトルにあるように、観ている世界の色をガラッと変えてしまう展開としてはとても効果的だと思いました。前半のストーリーを観る人の脳裏に擦り込む手法としては、キャスティングの上手さがまず印象に残りますが、菅田将暉をなぜこの役に起用したのかだけ少々しっくりこなかった理由が、後半になって合点がいきました。この詳細はもちろん伏せておきますが、後半の夏帆と菅田将暉の演技は見応えがあります。特に今回は夏帆が頑張っていました。こういう役ってこれまでやっていなかったと思いますが、新しい境地に挑戦していて、女優としての幅を広げています。中島裕翔は、この役にピッタリですが、原作を書いたのが同じジャニーズのNEWSのメンバー加藤イゲアキが書いたものだと考えると納得ですね。やっぱりこの主人公は、ちゃんとアイドルとして成立する人が演じないと違和感が出てくるので、単純に俳優として売り出したいアイドルを主役に据えるアイドル映画とは一線を画していると思います。 |
明るい映画ではないし、男女の話もロマンチックな展開よりもギスギスしているので、ムードを盛り上げてくれるような内容ではないですが、人間ドラマとして男女ともに楽しめるでしょう。途中で展開をガラリと変える大きな衝撃的事実が明かされますが、こういう要素は逆に映画後のトークではネタにしやすいと思います。スターの話なので、自分達の関係に置きかえることなく、客観的に観られるという意味でも、デートで観るのもアリでしょう。 |
「62分後の衝撃」とは別に、キッズにとっては刺激が強いシーンがあるので、大きくなってから観る方が良いと思います。ティーンの皆さんもアイドルやスターを憧れの眼差しで観ていると思いますが、中学生以上なら、こういった裏の側面、人間の闇の部分も映画を通して覗いてみるのも良いかも知れません。表向きは輝いてみえる存在でも、いろいろなことを抱えているんだなとわかるだけで、少し大人になれると思いますよ。 |
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© 2016「ピンクとグレー」製作委員会
2016.1.6 TEXT by Myson