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ベロニカとの記憶

2018年1月20日より全国順次公開
ロングライド
公式サイト

甘酸っぱい記憶としての残っていた初恋。ある事がきっかけで、主人公はその初恋の記憶を辿っていくことになるのですが、徐々に記憶が蘇り、自分が目を背けていた真実にぶつかってしまいます。40年も経ってから、こんな現実を思い出したくないなと思う反面、生きているあいだに精算したい事でもあるかなと、観ていて思いました。でも、彼はこの事に向き合ったことで、少し成長を見せます。人の記憶は、自分に都合の良いように書き換えられると聞いたことはありますが、彼はこの記憶を封印していたことで、自分も閉ざしていたのかも知れないと思うと、辛い記憶を辿ることも悪いことばかりではないなと思います。淡々と進んでいく静かなストーリーではありつつ、真相は結構ヘビーなので、後半でずっしりくる作品です。

映画を一緒に観慣れているカップルならデートで観るのも良いと思いますが、派手な展開が少ないので、普段あまり映画を観ない人を誘うには、不向きな気がします。初恋の記憶を辿るストーリーではありますが、美しい記憶が蘇るというよりは、蓋をしていた記憶が蘇るので、ロマンチックなムードになるのは、それほど期待しないでおきましょう。

主人公が高齢で、内容も大人向けなので、キッズやティーンの皆さんにはあまりピンとこないと思います。ただ、若い頃の回想シーンなどを観ると、自分達に近い感覚もあると思うので、ティーン独特の目線で楽しめる可能性はあります。興味があれば、観てみてください。

2018.1.17　TEXT by Myson