2013年6月1日より全国公開/R-15
コムストック・グループ
公式サイト 予告編
童顔でピュアなイメージが強いイライジャ・ウッドがサイコ・キラーに挑戦し、製作には第84回アカデミー賞作品賞を受賞した『アーティスト』の名プロデューサー、トマ・ラングマン、監督には『ミラーズ』『ピラニア3D』の鬼才アレクサンドル・アジャという顔ぶれが揃い、ウィリアム・ラスティグ監督作『マニアック』(1980年作品)を蘇らせた本作。この面々で描く物語が、マネキンしか愛せない猟奇殺人者のお話というから、どんなことになってるんだろうと興味津々でした。本作のほとんどは、イライジャ・ウッドが演じる主人公フランクの主観撮影(POV手法)によるシーンというのも見どころで、手持ちの小型カメラで済ませるというのではなく、綿密な準備とリハーサルを必要とする大変な撮影だったようです。でも、イライジャは自らホラー映画専門の製作会社を立ち上げるほどのジャンル映画マニアだそうで、自分が映りこまないシーンにも同行し、かなり協力的だったとのこと。実際にイライジャ・ウッドが自ら撮影しているシーンもあるそうで、観ている側も本来は女性の立場で襲われるのをドキドキしながら観ると思いきや、目線が主人公と同じなので、命乞いされる側を体験できちゃったり、複雑な心境が味わえます(笑)。 主人公フランクは、あるものをコレクションしていて、殺人シーンは目を覆いたくなるような内容ですが、あまり露骨に映らないのでギリギリ耐えられましたが、音が妙にリアルなので想像力をあまり働かせすぎるとかなりゾッとします。でも、フランクの生い立ちから考えると、おかしな子になっても仕方がないと若干可哀相に思える部分もあり、イライジャ・ウッドの憎めない容姿も相まって、ただの連続殺人鬼の話には留まらない内容になっています。 マネキンそのものもかなり不気味なので、一人で夜に観ると怖いかも知れませんが、逆に真剣に観ずに女子ばっかりでワイワイキャーキャー言いながら観るとおもしろいと思いますよ。 |
マネキンしか愛せない男性が女性を次々と襲っていくスリラーで、1人帰る夜道をつけられて…というシーンは、一人暮らしをしている女性にとってはリアルに怖いと思うでしょう。さらに、もしまだあまりよく知らない相手とのデートの場合は、一見大人しく真面目そうで襲ってくるなんて思ってもみない相手が豹変するシーンに「隣のこの人ももしかして…」なんて怖い想像をしてしまうかも知れません。殺人シーンだけでなく、女性のヌードやエロシーンもかなりあり、デート向きではないので、女子のお友だちと観に行くと良いでしょう。 |
R-15ですが、15歳以上のティーンについては、ある程度理解力もあると思うので観ても大丈夫だと思いますが、家庭の事情が複雑な状況の場合は、主人公の心境に変に共感すると、被害妄想や、将来の不安感を増大にさせてしまう可能性がなきにしもあらずです。完全にエンターテイメントだと理解して健全に楽しめる子ならオーケーでしょう。友だちや家族と一緒に怖がりながら楽しむと良いですね。 |
© 2012 - La Petite Reine – Studio 37
2013.5.22 TEXT by Myson