2014年12月20日より全国公開
プレシディオ
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アムステルダム美術館は、レンブラントの「夜警」ほか多くの名作を所蔵する世界的美術館。2004年に創立以来の大規模な改装を行うため閉館し、2008年に再オープンする予定でプロジェクトが動き出します。美術に詳しくないので、私が観てわかるのかなと思いましたが、このドキュメンタリーは美術品や建造物、建築デザインについて掘り下げるという内容ではなく、美術館を建て直すことでわきあがるいろいろな問題にフォーカスしたものでした。一番大きな問題となっていたのは、美術館を通り抜ける自転車道について。これそのものが文化だと主張する活動家と市民、その声を受け入れつつデザイン的に打開案を提出する美術館側。どちらが正しいというスタンスではなく、こういう問題によって人それぞれの利害関係の違いが露呈するという状況をありのままに映し出しています。ほかにも責任者と現場の意見の相違など、美術の知識があるないに関わらず、仕事目線で一つの大きなプロジェクトを動かすということがどういうことか客観視できる内容でした。ぜひそういう視点でも楽しんでもらえればと思います。 |
内容としてデートで観るのに支障はないし、どこに焦点を当てるかによって見どころはあるのですが、柔軟な鑑賞方法ができる人でなければ、美術館に全く興味がない、ドキュメンタリーは観慣れていない人を誘うには、少々ハードルが高いと思います。ひたすらアムステルダム美術館が映るので、街並みを楽しむという感じでもありません。一人で観るか、興味がありそうな人を誘う方が無難でしょう。 |
あまりキッズ、ティーン向きの作品ではありません。美術に強い興味を持つティーンなら観てみるのも良いかも知れませんが、本作で当てられる焦点は美術品よりも、どう展示するか、美術館そのものをどう改装するかです。仕事目線でも楽しめるドキュメンタリーなので、学校で何かプロジェクトに取りかかっている人には、何かしら自分の日常に繋がる部分を感じられるかも知れません。 |
©2014 Column Film BV
2014.12.8 TEXT by Myson