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ムード・インディゴ～うたかたの日々～

2013年10月5日より全国公開
クロックワークス
公式サイト　予告編　　

かなりファンタジー色の強い映画でした。物語自体は恋のお話なのでわかりやすいのですが、ファンタジックな要素がたくさん盛り込まれているせいか、不思議過ぎて意味不明だなと思ってしまうところもありました。
人間の言葉を話せるネズミや、カクテルを作ることができるピアノなど、ほかにもおもちゃ箱のなかから出てきたような小道具がたくさん登場します。そういった細かな演出からファンタジーの世界観が作り出されていているのですが、人間の心情に合わせて映像の効果が変化していくところが特にすごいなと思いました。前半の幸せな雰囲気はカラフルに彩られていますが、後半になり主人公の男性が金銭的にも精神的にも追い込まれていくと、映像もだんだんと暗い配色に変わっていきました。さらに彼の身の回りのものも一緒にダメージを受けていくなど、物語全体を通して人の心の状態が映像になって表れていたように思います。そういう意味では今私たちが生活する世の中よりも、人の心の動きがわかりやすい世界なのかなとも思いました。
本作は『タイピスト！』のロマン・デュリス、『アメリ』のオドレイ・トトゥ、『最強のふたり』のオマール・シーなどフランス映画好きにとっては贅沢なキャストがそろっているもの見どころの一つです。淡く切ない恋の物語をこの映像とともに観てみる価値はあると思います。この不思議な世界観をぜひ劇場で味わってみてください。

映画好きカップル向けかなと思いますが、この作品にはカップルの幸せの絶頂からどん底までの全てが描かれているので、いろいろなことを経験してきている付き合いの長いカップルの方がより楽しめると思います。非現実的な世界での話なのでそこまで感情移入して自分たちに当てはめてしまうことはないでしょうし、不思議なシーンが多いので、観終わってから「あのシーンはどう思った、このシーンはどう思った」など話し合うとさらにおもしろいでしょう。

映画『ムード・インディゴ～うたかたの日々～』ロマン・デュリス／オドレイ・トトゥ／オマール・シー

映像がかわいく、おもしろいものがたくさん出てくるところはキッズも楽しめると思いますが、小中学生だと内容は意味不明だと思います。できれば高校生以上になってから観るようにしましょう。高校生以上のティーンは不思議な世界観を堪能しつつ、主人公たちの恋心に共感できるのか、また主人公の男性をどう思うかなど考えて観て欲しいと思います。

2013.9.25　TEXT by Shamy