2014年6月28日より全国順次公開
彩プロ
公式サイト
妻、母、一人の女性としての生き方を優しく指し示す心温まる物語でした。主人公は、インドの一般家庭の主婦シャシで、彼女は英語がわかりません。英語がわからないことで娘や旦那さんにバカにされてしまうのですが、ある日姪の結婚式をきっかけにニューヨークへ行くこととなります。 まずインドの方は英語がペラペラなイメージはありましたが、話せない方もいることをこの映画を通して初めて知りました。日本では、英語が話せるか話せないかで、家族にバカにされるということがほとんどないだけに、英語教育が進み公式の場でも英語を使うことが多いインドならではの設定だと思いました。 シャシは、英語がわからないことで娘や旦那さんにバカにされたことをきっかけに、自分の価値観について考えていましたが、きっかけは関係なく家庭を持つ女性ならきっとシャシの気持ちに共感できる部分があるのかなと思いました。私自身は未婚なので、シャシに100%共感というわけではありませんでしたが、結婚して家族になっても、一人の女性としての幸せを掴むべきだと感じ、シャシを応援したくなりました。 そして本作のもう一つのテーマであるのが言葉の壁。シャシは飛行機に乗るにも手こずり、カフェでオーダーするにも上手くいきません。そういった英語ができないことでの、もどかしい感覚や悲しくなる気持ちは、私も初めて海外に行ったときに感じたなと思い出しました。でも何でもシャシのように壁にぶつかってこそ、やる気と意欲が湧くものなんだなと改めて思いました。 それから本作は、インド映画でよくある歌とダンスのシーンがほぼありません。挿入歌として歌が入ったり、結婚式の催しの一貫として踊ったりするシーンはありますが、完全に内容中心だったのが新鮮でした。主人公は主婦ですが、一人の女性としての生き方や言語の壁というテーマには誰でも共感できる素敵な作品です。ぜひ観てみてください。 |
夫婦や家族の愛の物語というより、シャシ自身の成長が描かれた作品なので、どのデートで観てもオーケーです。シャシが語学学校に通い、旦那さん以外の男性との出会いもありますが、爽やかな展開となっているのでカップルで観ても問題ないと思います。もし夫婦間でシャシのような悩みを持つ方なら、敢えて旦那さんと一緒に観て間接的に自分の気苦労を知ってもらうのも手かも知れません。観終わったらぜひ夫婦関係について話し合ってみてください。 |
キッズとティーンはシャシを観て、お母さんの大変さを知りましょう。たとえ家族でも、心ない一言に傷ついてしまうのは大人も子どもも変わらないということがきっとわかりますよ。特にティーンは、どうしたら大人との関係を良好に保てるかという秘訣を探りましょう。シャシと娘、シャシと姪っ子の関係には大きな違いがあります。どちらが良いお手本なのか客観的に観察して、それぞれの関係性を自分に置き換えて考えてみてください。あとはシャシが英語を勉強する姿を見習い、早速英語の勉強をしてみてはいかがでしょう。きっと今から頑張れば将来ペラペラかも知れませんよ(笑)。 |
©Eros International Ltd.
2014.6.17 TEXT by Shamy